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写真左から:エリザベス女王とフィリップ殿下(1995年1月当時)

フィリップ殿下を偲んで! “永遠の愛”に隠された秘密 (後編)

エリザベス女王とフィリップ殿下、それは“生涯続いた笑いに溢れる日々”。

そしてフィリップ殿下(エディンバラ公爵フィリップ王配(Prince Philip, Duke of Edinburgh))もまた義理の母親に向けて、

「私にとっては、リリベット(フィリップ殿下が名付けたエリザベス女王(Elizabeth II)のニックネーム)がこの世にある唯一無二の真の存在なのです。私の願いは、2人の繋がりがこれから先の困難に耐える力を与えてくれるだけではなく、将来に向けて“善”を導く礎(いしずえ)を築いていくことなのです。」という内容の手紙を書き送っている。

どちらかというと自分についてあまり多くを語らないと言われる女王だが、その反対に妻への愛に対して自身の思いを臆することなく率直に語るフィリップ殿下は、新婚間もない頃、南フランスでの友人を囲んだ私的なディナーの席で、“2人の情熱的な新婚生活の様子”を披露したりしている。

そして、そのディナーの席でフィリップ殿下の従妹にあたるパトリシア・マウントバッテン(Patricia Mountbatten:第2代マウントバッテン伯爵パトリシア・エドウィナ・ヴィクトリア・ナッチブル(Patricia Edwina Victoria Knatchbull, 2nd Countess Mountbatten of Burma))が女王の滑らかな素肌の美しさを褒め称えた際、フィリップ公爵は「そう、でも実を言うと、彼女の肌は全身が滑らかなんだ。」と答えたという。

でも、殿下は自らも認める通り、実は生活を共にするにはそうたやすい男性ではないらしい。

さらに、1997年に行われた、夫妻の結婚50周年を祝うガラランチの席でゲストと歓談するフィリップ殿下が「女王は実に我慢強く、寛容の精神を備えた素晴らしい女性」と、女王を褒め称え、その言葉を耳にした女王は「フィリップ、少しおしゃべりが過ぎますよ。ご自分が何をおっしゃっているのか分かっているのですか?」と即座に切り返したというエピソードも残っている。

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ロンドンのバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)のバルコニーにて。写真左から:末っ子のウェセックス伯爵エドワード王子(Prince Edward, Earl of Wessex)を腕に抱いているエリザベス女王とフィリップ殿下(1964年6月13日当時)

さらに、この特別な記念日を祝い、フィリップ殿下は次のようなスピーチを残している。

「円満な結婚生活を送るための必要欠くべからざる要素、それは一重に“互いを許し、認め合う”ことに尽きるのではないでしょうか。それが50年という結婚生活の中で私たちが学んだ人生の最大の智恵ではないかと思っています。

そして、その精神は物事が順調に運んでいるときはそれほど重要ではないかもしれませんが、困難に直面したときこそ、その真価が問われることになるのだと思います。」

公の場ではいつも女王から数歩退いて歩くフィリップ殿下だが、こと私生活では常に“男としての主導権”を握っていたという殿下は、1994年のベリーズ(中央アメリカ北東部にあるイギリス領国家)公式訪問の際、政府高官たちとの談笑に時間を掛けるあまり、なかなか席を離れようとしない女王に向かって、自身が待つロイヤルヨット「ブリタニカ」の船上からしびれを切らして「早くしなさい。」とフィンガースナップをして急かしたというシーンを披露したりもしている。

しかし、そこには長年の結婚生活を通して常に互いを思いやる優しさを忘れることがなかった真のカップルの姿がある!

最初の子供チャールズ王子(ウェールズ公チャールズ:Charles, Prince of Wales)誕生の際、バッキンガム宮殿でスカッシュをしながら誕生の知らせを待っていたフィリップ殿下は、王子誕生の朗報を聞くや否や、溢れるほどのカーネーションの花束とシャンパンを持って女王の下へ駆けつけたという。

また、1993年、ある会場でのスピーチの際、眼鏡を忘れた女王の姿を目の当たりにしたフィリップ殿下は思わず機転を利かせて「どうやら女王は眼鏡を忘れてしまったようです。ですからここから先は私が女王に代わってスピーチを読み上げることにします。」と述べて、周囲の笑いを誘うようなこともあったという。

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イギリスのアスコット競馬場にて。写真左から:エリザベス女王とフィリップ殿下。(2015年6月17日当時)

そして、かなり昔、フィリップ殿下が女王のために作ってプレゼントしたという銀色のお化粧ポーチをいつもハンドバッグの中に忍ばせているという女王の机の上には、海軍の制服を身に纏った誇らしげな殿下の写真が飾られているという。

2人をよく知る、ある外交官は2人の関係について次のようなコメントを残している。

「あまり自分を見せようとしない女王の殻を破る術を心得た殿下は、ある意味で女王の健康の素といえるような存在だったのではないでしょうか。殿下は女王が自分らしさを忘れないようにするための道しるべとして、恐らく唯一無二の存在だったのでしょう。」

そして2人がオーストラリアとニュージーランドへの公式訪問の際、ケニアに立ち寄っているとき、女王の父薨去の知らせを女王に知らせたのはフィリップ殿下だった。義理の父親の薨去の知らせを電話で受けたフィリップ殿下はエリザベス女王を庭に呼んで、その悲しい知らせを伝えたという。

かつて、女王は友人との会話の中で「もし他の世界があったら、老後は自然の美しさに溢れたランカシャー州、フォレスト・オブ・ボウランド(Forest Of Bowland)でフィリップと一緒に暮らしたいと思うわ。」と語っていたという。

そして最後に、女王の元私設秘書であったチャータリス卿(Lord Charteris)が残した次のようなコメントが、いみじくも2人の美しい関係を完璧に物語っているのではないだろうか!

「恐らくフィリップ殿下だけが、生涯を通して女王と1人の人間として向き合い、心を分け合った方だったのだと思います。奇妙に聞こえるかもしれませんが、女王にとってはきっとそれが何物にも代え難い、価値のあることだったのでしょう。」

Words © Laura Hills
Photos © Mirrorpix

END.

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