オースティン・バトラー(Austin Butler)は、2022年公開の映画『エルヴィス』(原題:Elvis)のエルヴィス役でレザージャケットを着ることに十分慣れていました。そして今、ジェフ・ニコルズ(Jeff Nichols)監督による60年代のアメリカ文化、アルファ(alpha)男性(非常に知的で、自信があり、成功している男性)のエネルギー、そしてアイデンティティーの探求に対する実存的な哀歌である『原題:ザ・バイクライダーズ』(The Bikeriders)で、バイカーギャングの最もクールなメンバーとしてレザージャケット姿に戻ってきました。
バトラーは、仲間のバイカーたちとの絆を通してのみ人生に真のインスピレーションを見出す謎の道行く戦士ベニー(Benny)役で、非常に魅力的な演技を披露しています。物語の大部分は、ベニーと彼の中に潜む危険な要素に惹かれる若い女性、ジョディ・カマー(Jodie Comer)が演じるキャシー(Kathy)との結婚、そしてギャングとその恐ろしいリーダー、トム・ハーディ(Tom Hardy)が楽しそうに演じるジョニーへの忠誠心を中心に展開します。
「ジェフ(監督)が、人々がコミュニティーに属したいという欲求を持っていることを見出す方法が気に入りました。私の演じるベニーは、この人たちのためなら何でもします。そして、時にはそれが必ずしも最善の選択とは限りません(笑)。ベニーは、自分の行動がもたらす可能性のある結果をもう少し考えるべきなのに、拳で先導してしまうことがあります。」とバトラーは言います。
「忠誠心は物語の大きな部分を占めています。でもジェフはバイカーのサブカルチャーを超えて、自分の弱さやオープンさをどれだけ許容するかなど、興味深い方向に進んでいると思います。これは私がいつも考えていることです。」
フォトジャーナリストのダニー・ライオン(Danny Lyon)が1968年に中西部のバイカーギャング「The Outlaws」(アウトローズ)を取材した有名な記録を基にした、この待望のドラマは6月21日にイギリスの映画館で公開されています。(日本2024年秋公開予定)
33歳のオースティン・バトラーはカリフォルニア州オレンジ郡出身。過去2年間、彼は元スーパーモデルのシンディ・クロフォード(Cindy Crawford)とレストラン経営者のランディ・ガーバー(Rande Gerber)の娘で、新進気鋭のモデル、カイア・ガーバー(Kaia Gerber)と交際しています。バトラーは以前、女優のヴァネッサ・ハジェンズ(Vanessa Hudgens)と2020年に別れるまで8年間同棲していました。
最近では、AppleTV +の第二次世界大戦映画『マスターズ・オブ・ザ・エアー』(原題:Masters of the Air)で爆撃機パイロットを演じ、『デューン 砂の惑星 PART2』(原題:Dune:Part Two)では悪役フェイド・ラウサ(Feyd-Rautha)を演じています。
俳優としてブレイクしたのは、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の2019年映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題:Once Upon a Time in… Hollywood)でマンソン(Manson)・ファミリーのカルトメンバー、テックス・ワトソン(Tex Watson)を演じたときでした。
━━60年代のバイカーギャングを題材にしたこの映画は、いろいろな意味であの時代やその時代に作られた映画を懐かしむ内容でしたが、制作はどのような経験でしたか?
インディペンデント映画製作の伝統にのっとった映画に出演できたことは本当に楽しかったです。少人数のスタッフと仕事をしたり、セットの外で他の俳優たちと多くの時間を過ごしたり、そういった経験を積んだりするのは親密なものです。
しかし、何よりもバイクとハーレーへの愛を満喫できたことは感動的でした。特に中西部の果てしない麦畑の中をヘルメットをかぶらずに走れたのは! そのすべてに参加できてとても自由だと感じました。
━━クラシックなハーレーダビッドソンのバイクに乗ることで、さらなる喜びはありましたか?
あれは本当の愛でした。私は以前にもハーレーに乗ったことがありますが、この映画のために、これまで乗る機会がなかった1960年代のビンテージハーレーに乗る機会がありました。
━━バイクのシーンで身震いするような瞬間はありましたか?
たくさんありましたが、もちろんその分、よりエキサイティングでしたが、かなり危険でもありました…。正直、どうやって制作費を賄ったのか分かりません(笑)。そして、私は多くのシーンを、顔に小石を蹴り上げる［カメラカー］の後ろに乗って撮影しました…。とても生々しい体験でした。
40人ほどのグループで狭い道を自転車で走っていると、「今誰かが事故ったら、私たちも全員倒れてしまう。」と考えてしまいます。そして、トウモロコシ畑の中を全速力で走っている間はヘルメットもかぶっていません…。髪に風を感じながらシンシナティを走るのは、まさに格別です。
Words © Jan Janssen / WENN
Photo © Phil Lewis / WENN
後編へ続く・・・。
PAGE TOP