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大ヒット映画『ブラックアダム』(日本公開2022年12月2日)で魔術師ドクター・フェイトと考古学者のケント・ネルソンの2役を演じているピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)。

OK! インタビュー☆ピアース・ブロスナン:『ブラックアダム』(後編)

「ドクター・フェイト役のオファーが来たときは一も二もなく即その申し出を受けることにしたんです。」と語る、DCコミックスファンのピアース。

━━ドクター・フェイト(Doctor Fate)について、特に興味をそそられた部分があるとしたらそれはどんなところですか?

彼はとても長い人生を生きてきた魔術師、ヒーラー、そして念力を兼ね備えている人物です。私はまた、彼がナブの兜によって祝福され、呪われた男であること、そしてDCコミックスストーリーテリングの殿堂で最も古いキャラクターの1人であることも、私が興味をそそられた部分です。

それに加えて、この作品に出演することで、かねてから私が尊敬していた監督のジャウム・コレット=セラ(Jaume Collet-Serra)やドウェイン(・ジョンソン:Dwayne Johnson)と一緒に仕事をする機会を手に入れたことは僕にとって本当に素晴らしいことなんです。

━━ブラックアダムを演じるドウェイン・ジョンソンに観客はどのような反応を見せると思いますか?

この映画の観客にはきっとドウェインの演技に驚き、魅了され、そして心からこの作品を楽しむことでしょう。彼は俳優、レスラー、起業家であり、間違いなく一枚岩のスーパースター! そして、何よりもこの役柄を心から受け入れ、役柄になりきっているんです。ブラックアダムはドウェインにとってまさに“はまり役”で、彼はこの映画に身を捧げていると言っても過言ではないと思います。彼が最も印象的に見えたのは、衣装を着てセットに歩いて行ったときで、あんなに様になった衣装の着こなしには、かなりの手間暇が掛かるんです。

━━結局、スーパーヒーローの大ヒット作に出演するのは面白かったですか?

約3ヶ月に渡ってドクター・フェイトを演じているうちに、彼と一体化している自分に気が付いたんです。何十年もの長い人生を生き抜いてきた男と自分を重ね合わせて自然に彼を受け入れることができたのかもしれません。今までの私のキャリアに加え、永遠のスーパーヒーロー、ジェームズ・ボンド(James Bond)を演じた経験を通して、今回も難なくこのキャラクターを演じることができたのだと思います。

また、ボンド時代から膨大なセットの制作にも慣れていました。どちらも複雑なことは何もありません。私はただ起きて仕事に行き、現場に着くと同時にスーツケースを開けて、そのスーツケースからキャラクターを取り出し、キャラクターになりきって仕事をします。そして撮影を終えた1日の終わりには再びスーツケースの中にキャラクターを戻して、家路につくんです。

━━DCコミックスのスーパーヒーローを演じることについて、2人の息子(ディラン(Dylan)(25歳)とパリス(Paris)(21歳))さんたちの感想はいかがでしたか?

先日、息子たちと一緒に家で映画を見る機会があったのですが、彼らの評価は“最高”の一言でした。それが私の評価基準でしたので、まるでゴールドメダルを手にしたようなものです。2人の息子の友人たちからも高い評価をもらい、作品はもちろんのこと、お父さんにとっても、それはもう“向かうところ敵なし”といった感じでしたね。

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写真左から:妻のキーリー・シェイ・スミス(Keely-Shaye Smith)とピアース。

━━演技はこれまでと変わらずあなたの人生に喜びを与えてくれるのでしょうか?

もちろん、まだまだ演技を愛して止まないのは事実ですが、演技だけに留まらず、まだまだもっと色々なことに挑戦してみたいという夢を持っているんです。「俳優として何ができるのか?」「観客を驚かせるにはどうすればいいのか?」などを含めて、自分自身でもこれから先10年の俳優としてのキャリアがどのようなものになるのか、とても興味があります。

また、“演じる”ということが自分の想像力や夢見る能力と結びついている側面が大好きですし、だからこそ演技ができることに心から感謝しているんです。この夢を見る能力は私が俳優になり、そして俳優であり続けることを可能にする大きな要素の一つなんです。

━━絵画は今でもあなたの大きな情熱の一つなのでしょうか?

はい、もちろん私はずっと俳優ですが、演技を続けている今でもずっと画家になりたいと思っているんです。そして、その夢は年を経るごとに、ますます強くなってきているのも事実なんです。

絵画は私にとって素晴らしい創造的なものであり、それに多くの時間を費やすことができるのは私にとって“美しい体験”でもあるんです。演技以外の何かを持つことで、私がこの芸術的衝動を追求することを可能にしてくれるという点でも絵画は私にとって不可欠なものなんです。

━━もともと画家になりたかったのでしょうか?

はい。私は学校を早く辞め、ロンドンで画家になるという希望を抱いていたんです。その後、生計を立てるため商業アーティストとして仕事を始めましたが、“商業アーティスト”という選択は俳優という仕事に就くまでの私の夢の一部であり、延長でもあったんです。でも人生の後年に入り、最終的には絵の世界に戻ることができました。そして、それは私にとってきっと避けることができない“絵画との宿命”ではないかと思っているんです。

━━プライベートでいちばん大切にしている瞬間についてお話していただけますか?

カウアイ島の私たちの家で時間を過ごすのが大好きです。私たちは15年間、それを形にしようと努力してきましたが、そこにいることは大きな喜びです。仕事や夢を見ることができる場所があることは、私に大きな慰めを与えてくれます。

朝起きて、おいしいコーヒーを飲み、妻に愛していることを伝えることができるのが大好きです。それからスタジオに行って絵を描いたり、キーリーとランチをしたり、泳いだりして、ただ遊びに行ったりします。

━━減速する考えはありますか?

分かりません。私は本当にそれについて考えていません。マイケル・ケイン(Michael Caine)が言ったように、「俳優は引退しません。電話の呼び出し音が止むだけです。」しかし、そうではありません。私がそれを許さないので、それはしません。私は働き続けるよう努めています。あなたが情熱、意欲、働きたいという深い願望を持っているなら、あなたは働かなければなりません。他に何をしますか? これは私が非常に良い人生を生きることを可能にし、その過程で私にとても多くの満足と喜びを与えてくれた素晴らしい職業です。

俳優としての私の人生は、私の最も野生の夢を超えています。私はこれを望み、私はそれを欲しがり、私はそれを得たので、あなたはそれに乗り、感謝の気持ちを持っています。私はまだテーブルにいます。電話はまだ鳴っていて、私は働き続けます。まだまだ映画はたくさん作らなきゃいけないと思います。

上記のピアース・ブロスナンのインタビューは、2022年10月8日、新作映画『ブラックアダム』の宣伝中にロサンゼルスの自宅から電話インタビューによるものです。長さと明瞭さのために編集されています。

Interview © Jan Janssen / Wenn
Photos © WENN.com

END.

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