トランスジェンダーであることを自ら誇りを持って公表した、才能あふれる俳優であり、社会活動家でもあるエリオット・ペイジ(Elliot Page)が語る人生観。

OK! インタビュー☆エリオット・ペイジ:「やっと世界に向けて本当の自分を知ってもらうことができたと思っているよ」Vol.3

トランスジェンダーであることを自ら誇りを持って公表した、才能あふれる俳優であり、社会活動家でもあるエリオットが語る人生観。

━━『原題:ゼアーズ・サムシング・イン・ザ・ウォーター』(There’s Something in the Water)をどうしても制作したいと思うに至った何か“個人的な思い入れ”について少し触れていただけますか?

この作品を制作することに一種の興奮を覚えたし、これを見た人たちはきっと何かを感じて反応してくれると思ったよ。
今まで、ノバスコシア(Nova Scotia)やカナダ大西洋州のことは誰も触れたことはないし、なぜだか分からないけれど、たくさんの人たちが私にとってここはTIFF(Tagged Image File Format)で、つまり暗号化された場所だと言っていたよ。

ここはカナダ国内でも低所得者が生活している地域で、だからこそ、ノバスコシアは歴史を通して過酷な環境を強いられ、他の地域とは異なり、劣悪な法規制が許されてきた場所でもあるんだよ。

━━『原題:ゼアーズ・サムシング・イン・ザ・ウォーター』は地球汚染や先住民に対する差別意識への重要な問い掛けとなっていますが、このドキュメンタリー・フィルムを撮影するための準備はどのようになさったのでしょうか?

原作となる本の著者であるイングリッド(Ingrid)との繋がりから、現地にいるたくさんの活動家や支援者と実際に会って話ができたことで、撮影現場で必要なさまざまな準備が可能となって、しっかりとした計画を立てることができた。

だから“今、下すこの決定”“今だからこその緊急性”が、この緊急を要する待ったなしの企画を実現することを可能にしてくれたのではないかと思っているよ。
その後にはこのアイディアを下にフィルムの概要を決め、そのヒントを携えてノバスコシアに行き、そこで皆と合流していよいよスタート!

━━あなたが制作に関わっているドキュメンタリー・フィルムはますます悪化している地球環境汚染の脅威と先頭を切って闘う勇気ある女性たちに焦点を充てているようですが、そうした女性たちに対するあなたの感想や思い入れについて少しお聞かせ願えますか?

彼らの声が大きなうねりに繋がるという意味でも、これらの勇気ある女性たちの行動は本当に“素晴らしい”の一言!
そして今まさに現実に流れが起きている!

歴史的に言えば、ヨーロッパの白人占領者がこの地域に来て、当時この地域で生活していた女家長制度社会に生きる先住民を集団虐殺した。
それまでは、どのようにして水を手に入れるかは家長である“おばあちゃん”が決めていたけれど、今ここはおばあちゃんの知恵などに耳を傾ける社会ではなくなっているよ。

━━このドキュメンタリーフィルムが社会に伝えたいメッセージを要約していただけますか?

地球温暖化問題に関して政府に圧力をかけることも大切だけれど、でも“今までの地球環境はもう元に戻らない”そして“悪化する一方だ”というような、私たち一人一人にある無意識のあきらめも問題なのではないのかな?
そして草の根的な“おばあちゃんの言葉”を尊重することを、犯罪化しようとする人たちがいることも問題だと思うよ。

━━最近はゲイ・コミュニティーと、それに伴うサンフランシスコの進化について語るテレビシリーズ『メリー・アン・シングルトンの物語』(原題: Tales of the City)のような番組に出演しているようですね。

私たち‟ゲイ・コミュニティー”の歴史を伝えることは大切なことだと思うよ。ゲイに関するストーリー、例えば、彼らの生活、関係、苦悩、目的などなど、ゲイに関するストーリーにはまだどこか抵抗があって、なぜか“変態者”扱いする風潮があることは確かだよね。

『メリー・アン・シングルトンの物語』はゲイである彼らが真実に生きる姿や2人が感じる幸せなど、未来に向かって生きていけることができる場所のことを語っている。
そして、そこがこのストーリーの重要なメッセージではないかと思うよ。

私が演じる役柄は実際の私よりはるかに自信に満ち溢れていて、もっとお気楽な性格の持ち主だよ。でも彼女の役を演じていると、彼女の物事の進め方や自由に対する考え方、自分の中にある真実に自信を持つ能力などは、私自身の中にも潜んでいるのではないかと感じたりしているよ。

━━また、アメリカ中西部のオハイオ州に住む女性同士の恋愛について語る映画も制作したと聞いていますが。(エレン・ペイジとケイト・マーラ(Kate Mara)の共演)

『原題:マイ・デイズ・オブ・マーシー』(My Days of Mercy)は私にとって、とても大切な作品。この作品を通して“変わり者”と呼ばれている人たち”が“変わり者”としてできることを広い意味で伝えることができれば良いと思っているよ。
実はこのフィルムはあらゆる意味において典型的なラブストーリで、ただ一つ違うのは女性2人の間に起きるラブストーリーという点だけ!

━━あなたが演じているルーシー(Lucy)もまた、ゲイ・コミュニティーにいる数多くの人たちが経験している、数知れない困難を通り抜けなければならないということですか?

実は、ルーシーが何を感じるのかをもっと知りたいと思うことから、私自身もこの作品にとても関心を持っているよ。
彼女は心の奥深くに常に“守りの態勢をつくる”傾向があって、だから非常に無感覚で、皮肉に満ち溢れた性格の持ち主なの。

でもマーシー(Mercy:ケイト・マーラ)に会ったとき、ルーシーは初めて心を開いて希望という光を見出すわけ。今までの現実を粉砕して、“美しい心”と触れ合うようになるんだよ。

━━最近のご自身の仕事についてはどのように感じていますか?

今、私の周りで起きていることにワクワクしているよ。自分が信じているプロジェクトに関わることができて、昨年エヴァン・レイチェル・ウッド(Evan Rachel Wood)と関わったようなフィルムの制作をすることができるし、さらに今まではできないと思っていたり、避けていたようなことに挑戦できるようにもなったと思うよ。

過去数年間を振り返ってみると、“もっと早く自分がゲイであることを公表していたら良かった!”と思うこともあるよ。
こうした(ゲイの)旅路には大きな波及効果があって、自分の人生の全てが変わってしまうことでもあるよ。だって今の私にはこれ以上の幸せはないと思っているし、自分の人生の幸運に心から感謝しているよ。

Interview © WENN
Photos © WENN

END.

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