高校卒業後、ワシントンDCにあるハワード大学(Howard University)で政治学を専攻し、その後カリフォルニア大学(The University of California)で法律を学んだ後、法律家としてのキャリアを積んだカマラだが、彼女が“地方検事”になったとき「私たちの家系から“地方検事”の人材が出てくるなんて!」と驚きを隠しきれないような表情で語る母親に向かってカマラは次のように答えている。
「ある夏、地方検事の事務所で見習いの事務員として働いたとき、自分もまた将来“地方検事”になりたいと思ったの。“誰を起訴するのか?”、“どのような罪を要求するのか?”、“どのように法廷を仕切るのか?」をしっかりと定義しなければならない地方検事の裁量というか、思慮深さを垣間見たとき、私は社会正義を重んじる人たちが“地方検事”になるべきだと強く感じたの。」
その後2003年“サンフランシスコ地方検事”、さらに2010年“カリフォルニア州検事総長”に任命され、法律家として着々とキャリアを積んだカマラは、2017年になると、合衆国上院議員として政治の世界でデビューを果たし、2021年1月20日、遂にアメリカ合衆国副大統領に任命されるという偉業を成し遂げている。
そこで、同じ民主党員として大統領選を戦い、合衆国大統領に選出されたジョー・バイデンに「なぜカマラを副大統領に選んだのですか?」という質問を投げ掛けてみると、ジョーはカマラについて次のように述べている。
「彼女は弱者のために戦う恐れを知らない戦士で、その上“祖国に尽くす、根っからのパブリック・サーバント(国家公務員)”なんだ!」
そして「ホワイトハウスでの任務中に若い世代に何を希望するのですか?」という質問を受けたカマラは「私が若い女性やまだ幼い少女たちに送りたいメッセージは“あなたたちには漲るほどの力と可能性があって、あなたたち一人一人の声が大切で意味がある!”ということなの。」と応えている。
さらに、彼女が常々口にする「アメリカにはびこる“制度的差別(システマティック・レイシズム)”についてさらに聞いてみると、カマラからは次のようなコメントが戻ってきた。
「この問題は、全てのアメリカ人が課題として解決しなければならないことだと思うの! そして“沈黙は共謀”ということを忘れないでほしいわ。」
今までのカマラの公的人生の達成を見てみると、彼女の私的な生活を想像するのは難しい一面がある。しかし、弁護士のダグ・エンホフ(Doug Emhoff)と結婚しているカマラは「私にとっては家族が何よりも大切」と語り、「義理の子供たち、コール(Cole)とエラ(Ella)の母親としての役割が私にとって人生の優先事」と公言してはばからない。
そして義理の子供たちが彼女につけたユニークなあだ名“モマラ(Momala)”(Mom(ママ)とKamala(カマラ)を合わせた)について、カマラは実に誇らしげに次のようなコメントを残している。
「今までの仕事のキャリアを通して、有り余るほどの肩書を手にしてきた私にとって、“副大統領”という肩書は確かに素晴らしいものになるでしょう。でも私個人とっては、子供たちが授けてくれた“モマラ(Momala)”のタイトル以外に大切な肩書はあり得ないと思っています。」
Words © Rhona Mercer
Photo © WENN.com
END.