マイケルがO2アリーナでの記者会見で、久しぶりの、そして恐らく最後となるであろうライブコンサートとなる事を発表した時、世界中のファン達は、マイケルの言葉がいかに予言めいて、かつ一末の淋しさを持っていたか、もしかするとポップス界の王者である彼自身を除いては、誰もその心を推し量る事が出来なかったのかも知れない。
「これが僕自身の本当に最後のコンサートとなるでしょう。僕が心から、そしてどんなにファンの皆を愛しているかを忘れないで下さい。」と言う彼の言葉は、まるでこの世との別れが目の前に迫っているのを彼自身が察知しているかのようであった。
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恐らく、エルビス、ABBA等を含め彼の曲と共に立ち上がり、ダンスを踊ったファンをこれ程多く持つ歌手は他にいないであろう。音楽界の歴史を語る際、ジャクソンの業績はベートンベンやバッハ、そしてビートルズのような偉大な音楽家達の偉業に匹敵すると言っても過言ではない。そして世間の誰もが、歌手、ライブ・エンターテイナー、ビデオ・アーティスト･･･と、全ての分野において彼の足元に及ぶスターは他にいないと思っているに違いない。
家族や友人、そしてファン達を突然の悲しみに包んだマイケルの突然の訃報に際し、ビリー・ジーン、ロック・ウィズ・ユーなどを手がけたプロデューサー、クインシー・ジョーンズは、「まさかこのような若さでマイケルが私達のもとを去って行ってしまうとは思いもよりませんでした。今はこの喪失感を現す言葉が見つかりません。彼は多くのファンを魅了するエンターテイナーでした。 彼の音楽界に対する貢献と偉業は、永遠に僕たちの心に残ることでしょう。」と弔辞を述べている。
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マイケルは、彼の生涯に渡る活動の中で、全世界で7億5千万枚以上のアルバムを売り上げ、中でも「スリラー」の4千8百万枚は世界1であり、「デンジャラス」も全世界2位と、未だかつてその記録を破られていない。
また、アルバム「オフ・ザ・ウォール」の中の4曲、そして「スリラー」では7曲が、ビルボード・チャートトップ10の中に含まれると言う記録を誇る、世界で唯一のソロ・アーティストでもあった。
加えてこのポップス界の王者は、アルバム「Bad」で5シーズンに渡りヒットチャート1位の座に君臨するなど、驚くべき業績を残している。さらに、グラミー賞最多受賞歌手であり、1984年には8つの賞を受賞すると言う偉業も、見事果たしている。
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