オスカー・アイザック(Oscar Isaac)の俳優としての演技の幅は、事実上無限です。彼はミュージシャン(『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(原題:Inside Llewyn Davis))、銀河の指導者(『DUNE/デューン 砂の惑星』(原題:Dune: Part One))、ビジネスマン(『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(原題:A Most Violent Year))）、そして(『スター・ウォーズ』(原題:Star Wars))ではレジスタンスを率いる将軍を演じてきました。
11月7日にNetflix(10月24日日本劇場公開)で大々的な宣伝とともに公開された1億2000万ドル(約180億円)のホラー大ヒット作『フランケンシュタイン』(原題:Frankenstein)で、アイザックは映画界で最も悪名高いマッドサイエンティスト、ヴィクター・フランケンシュタイン(Victor Frankenstein)を演じます。
監督はギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)。メアリー・シェリー(Mary Shelley)の1818年の名作小説を映画化した作品です。
この映画は、1994年に公開されたケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)監督の『フランケンシュタイン』(原題:Mary Shelley’s Frankenstein)以来、伝説の人物と、しばしば同じ名前で呼ばれる人造の怪物を描いた最も野心的な作品であると言えます。
フランケンシュタインの役柄は、アイザックが最近演じてきた一連の大胆な役柄の最新版に過ぎません。Disney+シリーズ『ムーンナイト』(原題:Moon Knight)では、エジプト神の力を得る温厚な事務員スティーブン・グラント(Steven Grant)を演じています。ハリウッドの主要業界紙は既に、アイザックの魅力的な演技から、オスカー候補は確実だと絶賛しています。
「私は…非常に表現力豊かな役を演じるのが大好きです。素晴らしいもの、あるいは素晴らしいものに触れたいという欲求を扱います…これらの役のスケールの大きさは、まるでギリシャ神話のようです。」とアイザックは言います。
「[ヴィクター]フランケンシュタインの場合、ギレルモは、このキャラクターに自然な話し方をさせたくないと明確に言っていました。彼はそれを強調し、スピード感を要求し、間を置かないようにしたかったのです。」
『フランケンシュタイン』の出演者たち。(写真左から):クリストフ・ヴァルツ、オスカー・アイザック、ミア・ゴス、ジェイコブ・エロルディ、ギレルモ・デル・トロ監督、フェリックス・カマラー(Felix Kammerer)、クリスチャン・コンヴェリー(Christian Convery)。
このホラードラマでアイザックと共に出演するのは、ヴィクター・フランケンシュタインが体の一部を集めて縫い合わせた、ザ・クリーチャー(怪物)役のジェイコブ・エロルディ(Jacob Elordi)、ヴィクターの横暴な医師の父親役のチャールズ・ダンス(Charles Dance)、そして脇役としてクリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)とミア・ゴス(Mia Goth)。
46歳のオスカー・アイザックは、キューバ人の父とグアテマラ人の母を持つグアテマラで生まれ、ボルチモア、ニューオーリンズ、マイアミで育ちました。妻でデンマーク人の監督兼脚本家のエルビラ・リンド(Elvira Lind)と、8歳の息子ユージン(Eugene)と6歳の息子マッズ(Mads)と共にニューヨーク市に在住。
━━映画史上最も有名なキャラクターの1人を演じるのはどんな経験でしたか?
この映画ほどセットで仕事を楽しんだことはありません。ギレルモは本当にワイルドな男です! 想像力と発明力が豊かで、物語を次のレベルへと引き上げる創造的なリスクをいとわないところが、まさにこの作品で彼がやってくれました。
十字架を持って走り回っているシーンで、ギレルモがカメラの後ろから私に向かって叫んでいたんです。彼はとても情熱的でエネルギーに満ち溢れていて、セット全体を活気づけてくれました。そして、私が想像していた以上にキャラクターを深く掘り下げるよう、私を後押ししてくれました。ギレルモのおかげで、私の中に眠る芸術的な野性が解き放たれたような気がしました。
━━デル・トロ監督はフランケンシュタインを、自分の仕事に取りつかれたり、執着したりする男として描きたかったのですか?
ギレルモは、彼の内面にある非常に暗く、地下深くにある何かを引き出してほしいと考えていました。フランケンシュタインをユング派のイド的な存在にしたいと考えていました。
彼の非常に本能的な部分を捉えることができて、私はやりがいを感じました。それが私の演技への衝動をかき立てたのです。フランケンシュタインが何か特別なものを創造していると信じていたように、自分自身も自分の限界を超えた何かを創造しているような感覚を覚えます。
Words © Jan Janssen / WENN
Photos © Nicky Nelson / WENN
後編へ続く・・・。
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