もちろん、デビッド選手はサッカー史上最も象徴的な選手の1人であり続けています。マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)での初期の頃から海外での活躍に至るまで、彼のスポーツへの献身は一度も揺るぎませんでした。これはチームメイトも対戦相手も同様に認めるところです。
元チームメイトのリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)は「デビッド・ベッカムは私がこれまで一緒にプレーした選手の中でも最高のパサー(パスを出す人)の1人です。長距離ではレーダーフット(Radar foot)でした。」と語りました。
マンチェスター・ユナイテッド時代の元監督、サー・アレックス・ファーガソン(Sir Alex Ferguson)は著書の中で、「彼は並外れた人でした。初めて我々のチームに来たときは、朝と昼に練習し、夕方には学校の男子生徒たちと合流するために現れたものでした。」と述べている。
彼はさらに、こう付け加えました。「デビッド・ベッカムが英国最高のサッカーストライカーであるのは、神から与えられた才能によるのではなく、才能に恵まれない大多数の選手が考えも及ばないほどのたゆまぬ努力で練習を続けているからです。」
デビッドの影響力は世界中に及んでいます。ロサンゼルス・ギャラクシー(LA Galaxy)の監督、ブルース・アリーナ(Bruce Arena)は「彼は世界中に認知度をもたらし、リーグの質の向上に貢献しました。」と称賛しました。
一方、ACミラン(AC Milan)のスター選手、パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)は彼を「偉大なチャンピオン」と称えています。
2013年のベッカムの引退は、1つの時代の終わりを告げるものでした。彼は自身の決断を振り返り、「引退を決断したことを後悔していません。体は衰え、けがからの回復にも時間がかかっていました。」と語りました。
彼はかつて、「サッカーをするのが大好きです。それが私の仕事であり、私が好きなことです。」と的確に表現しました。そして今日、彼はインテル・マイアミCF(Inter Miami CF)の共同オーナーとして、リオネル・メッシ(Lionel Messi)のようなスター選手をアメリカサッカー界に紹介するなど、サッカー界の未来を形作り続けています。
そして、スタイル。サロンやモヒカンからシャープな仕立てまで、デビッドのスタイルは進化を続け、何十年も私たちを魅了し続けています。「よい服が好きなんです。たとえそれが怪しいものでもね。」と彼はかつて肩をすくめ、ファッションに対する彼の大胆なアプローチを完璧に言い表しました。
実際、“Becks”(ベックス)はサッカー選手から本格的なファッション界の王族へと転身し、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)やベルスタッフ(Belstaff)といったブランドのモデルを務めたり、コラボレーションしたりしていています。
年齢を重ねても、彼の活動は衰えを知りません。昨年は、ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)の下着モデルとして、再び鍛え抜かれた肉体を披露し、話題をさらいました。
ブランドのクリエイティブディレクター、マルコ・ファルコーニ(Marco Falconi)は、それがデビッドの情熱だと明かします。「彼は卓越性とディテールに非常にこだわり、ファッションへの情熱は本物です。」と彼は説明しました。
デビッドのスタイルは、世界クラスのデザイナーである妻ヴィクトリア(Victoria)のコレクションにも影響を与えています。
ヴィクトリアは、2022年春夏コレクションが休暇中に2人で共有した「スーツケース」からインスピレーションを得たと明かし、「デビッドはいつも努力家なんです。ヨーロッパで休暇を過ごしているときは、彼はとてもきちんとしたスタイルで、私もそういうスタイルを着たいと思うんです。」と語りました。
彼はまた、フレグランス、グルーミング、ウイスキーなど幅広い事業を展開する驚異的なビジネス帝国を築き上げ、そのスタイルに確かな実力があることを証明しています。「私は何事も中途半端にやることはありません。これからも一生懸命働き、一生懸命遊び、何をするにしても成功するためにできる限りのことをしていきます。」とデビッドは語りました。
50歳になったとしても、デビッド・ベッカムの社会貢献への意欲は衰えません。この節目を記念し、彼は世界中の脆弱な立場にある子供たち、特に教育、健康、安全の面で課題に直面している女の子たちを支援することを目的とした、ユニセフ(UNICEF)の新たな強力なキャンペーンを開始しました。
「今、子供たちはこれまで以上に私たちの助けを必要としています。」と、感動的なメッセージの中で述べました。ベッカムは20年間、ユニセフ親善大使として活動してきました。
2015年には、暴力、いじめ、児童婚といった問題に取り組む“7 Fund”を設立しました。「子供たちが安全に育つ世界を実現したいという思いから、ユニセフと基金を設立しました。」と彼は説明しました。
彼はサッカー、ファッション、父親業を制覇し、ヴィクトリアによると完璧な夫でもある。そして過去50年間を見れば、デビッド・ベッカムの人生はまだ始まったばかりのようです…。
Words © Bex April May / OK! Magazine
Photo © Phil Lewis / WENN
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