アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)は、チリのパブロ・ラライン(Pablo Larrain)監督がギリシャ系アメリカ人の伝説的オペラ歌手マリア・カラス(Maria Callas)を描いた映画『原題:Maria』で、華々しくスクリーンに復帰します。
この映画は現地時間1月10日にイギリスの映画館で公開されました。6人の子供を育てることに多くの時間を割くことを選んだジョリーは、2015年の映画『白い帽子の女』(原題:By the Sea)で当時の夫ブラッド・ピット(Brad Pitt)と共演して以来、2019年の『マレフィセント』(原題:Maleficent)の続編など、わずか5本の映画にしか出演していません。
しかし今、ジョリーの並外れた才能は、カラスの生涯を特徴づけた勝利と悲劇を捉えた映画で再び完全に披露しています。
『原題:Maria』は、ララン監督が20世紀の女性アイコンを描いた3作目の作品であり、これまでは『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(原題:Jackie)(ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)がジャクリーン・ケネディ・オナシス(Jacqueline Kennedy Onassis)の主役を演じた)、『スペンサー ダイアナの決意』(原題:Spencer)(クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)がダイアナ妃(ウェールズ公妃ダイアナ(Diana, Princess of Wales))を演じた)を制作しています。
オペラ界最高の歌姫の役を引き受けるには、ジョリーはさまざまなコンサート公演でカラスの実際の声の録音と自分の声をミックスできるレベルで歌えるよう、集中的な発声トレーニングを受ける必要がありました。
「私の最大の恐怖は、偉大なマリア・カラスのファンをがっかりさせてしまうかもしれないということでした。」と、昨年9月にヴェネチア映画祭でこの映画が初公開された際、ジョリーは語りました。
「彼女の記憶を裏切りたくなかったのです。カラス本人の研究や彼女の録音を聴くのと同じくらい、オペラの勉強に没頭しました。この映画を見ることで、多くの人があの世界に近づくことができればと思います。」
「私はカラオケでも歌ったことがありませんでした。そのため、7ヶ月間練習しました。パブロ(ラライン監督)が期待しているのは、そういう努力です。彼はとても要求が厳しく、よく準備することを求めます。」
「映画を制作する過程で、私はマリアという女性とカラスというアーティストの両方と時間を過ごしました。彼女の規律、技術、情熱、声、音楽に触れ、私は彼女に畏敬の念を抱いています。彼女から学んだことで、私はより優れたアーティストになりました。彼女は私の導き手でした…。」
今年は例年よりも女性主演の注目度の高い映画がはるかに少なく、49歳のジョリーはカラス役の演技でアカデミー主演女優賞の最有力候補ともささやかれていました。(実際は主演女優賞にはノミネートされませんでした。)
2024年12月下旬、ジョリーとブラッド・ピットは8年間の争いの末、離婚の和解を成立させたと発表しました。ジョリーがフランスの大繁盛ワイナリー、シャトー・ミラヴァル(Chateau Miraval)の半分の持ち分をテヌーテ・デル・ムンド・スピリッツ・グループ(The Tenute del Mundo spirits group)に売却した件で、2人は今も訴訟中です。
ピットは、ジョリーにはその土地の持ち分を優先的に購入できる権利を彼に提供する法的義務があったと主張し、彼女の行動を「復讐的」かつ「違法」だと表現しました。
ジョリーとピットには、養子であるマドックス(Maddox)(23歳)、パックス(Pax)(21歳)、ザハラ(Zahara)(19歳)、実の子のシャイロ(Shiloh)(18歳)、双子であるノックス(Knox)とヴィヴィアン(Vivienne)(16歳)の6人の子供がいます。
━━マリア・カラスを演じることは、あなたにどのような感情的な影響を与えましたか?
私は女性として、彼女に関するあらゆる物語の背後にある彼女の真の姿、そして彼女の芸術的才能の向こう側にある真の姿を発見する旅にとても感動しました。
私は彼女のことを深く思いやるようになり、彼女がどれほど愛され、死後も尊敬され続けるのかを知らずに彼女の人生が終わってしまったことをとても悲しく思います。(カラスは53歳でパリのアパートで、心臓発作で1人亡くなりました。)彼女が今日ここにいて、彼女に対する人々の愛情の深さを理解できたらと思います。
━━カラスはオペラ界の巨匠であり、国際的な有名人でした。しかし、その力強い人格にもかかわらず、彼女はまた非常に繊細な人物でもありました。あなたは彼女についてどう思いましたか?
彼女は強い個性を持った女性でしたが、同時に非常に傷つきやすい面も持っていました。男性と比べて女性を特徴づけるのは、主に私たちの心と傷つきやすさだと思います。
しかし、女性は年をとるにつれて、仕事であれ私生活であれ、生き残るための本能から、反撃して自分を守ろうとするようになり、少女の頃に持っていた弱さや開放性を失っていきます。
Words © Jan Janssen / WENN
Photos © Nicky Nelson / WENN
後編へ続く・・・。