『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(原題:My Big Fat Greek Wedding)(日本公開2003年)が世界中の観客を魅了し、興行収入総額3億6,900万ドル(約540億円)を記録した、ロマンティックコメディ史上最高の興行収入を記録してから約21年が経ちました。
このプロジェクトは、当時無名のカナダ人女優でコメディアンのニア・ヴァルダロス(Nia Vardalos)の発案で、主人公のトゥーラ(Toula)のギリシャの家族生活と、アメリカ人俳優イアン・ゴメス(Ian Gomez)との婚約(実際の結婚のエピソードが元となった。)が、彼女にギリシャ人男性との結婚を望んでいた誇り高き父親を驚かせる内容です。(ニア・ヴァルダロスとイアン・ゴメスは2018年に円満に離婚するまで、25年間結婚生活を続けた。)
現在、60歳のヴァルダロス(9月24日で61歳を迎える。)は、 現地時間9月8日にアメリカやイギリスの劇場で公開される『原題:マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング 3』(My Big Fat Greek Wedding 3)で、トゥーラの家族や親戚たちと新たな旅に観客を連れて行っています。
残念なことに、この映画にはトゥーラの怒りっぽい父親ガス(Gus)を演じた、俳優マイケル・コンスタンティン(Michael Constantine)は出演していません。(2021年に94歳で死去)。しかし彼の死により、ヴァルダロスは物語の舞台をギリシャに設定するというアイデアを思いつき、トゥーラはガスの最後の願いを尊重して、家族や友人を彼が育った村に連れて行きます。皮肉なことに、ヴァルダロスが自分なしでも物語を進めてくれることは、俳優マイケル・コンスタンティンの希望でもありました。
「マイケルは私に、3作目には参加できないと言っていましたが、彼の希望は続行することでした。私はマイケルの決断を反映するために脚本を書きました。彼からの最後のメッセージを常に大切にして、すぐに撮影できることを願っています。」とヴァルダロスは明かします。
このシリーズは、トム・ハンクス(Tom Hanks)のギリシャ系アメリカ人女優の妻であるリタ・ウィルソン(Rita Wilson)が、ヴァルダロスがロサンゼルスで演じた一人芝居を見た後に誕生しました。(それが彼女の脚本の基礎となりました。)その後、ウィルソンとハンクスは、控えめな予算の500万ドル(約7億3千万円)のプロジェクトに資金を提供しました。これは賢明な投資でした。この映画は史上最も収益性の高い映画としてランク付けされています。(彼らの会社Playtoneは、2016年の続編も製作しました。)
新しい映画では、ヴァルダロス(監督、脚本家、プロデューサーを務める。)が、ギリシャ人の家族とその多くの文化的癖に適応するのに苦労した、2002年のオリジナル版に多くの魅力を与えた、勇敢な映画夫イアン・ミラー(Ian Miller)(ジョン・コーベット(John Corbett)が演じる。)と再会します。
今回、ヴァルダロスとコーベットは、ギリシャのさまざまな島々での5ヶ月にわたる映画撮影中に、懐かしい瞬間を経験しました。「実際、私たちの素晴らしい撮影監督バリー・ピーターソン(Barry Peterson)が待ち望んでいた、最も美しいコバルト色の光の中で、波止場で踊っているシーンがあるのです。」とヴァルダロスは語りました。
「ジョンと私は桟橋に立って一緒に踊っていて、2人とも涙を流していました。信じられないほどでした…彼は私を見てこう言いました。『ベイビー、あなたが私たちをどこに連れて行ってくれたのか見てみてください。すごいでしょう?』そして、『来てくれてありがとう!』と言いました。」
同じカナダ人女優のアンドレア・マーティン(Andrea Martin)がトゥーラのとんでもない叔母ヴーラ(Voula)役で復帰し、イアンとトゥーラの成人した娘パリス(Paris)役でエレナ・カンプーリス(Elena Kampouris)、トゥーラのいとこニックとアンジェロ(Nick and Angelo)役でルイス・マンディロア(Louis Mandylor)とジョーイ・ファトーン(Joey Fantone)、ニッキー(Nikki)役のジーヤ・カリディス(Gia Carides)、トゥーラの母親マリア役でレイニー・カザン(Lainie Kazan)が出演します。
ニア・ヴァルダロスは、2008年に元夫イアン・ゴメスと養子縁組した17歳の娘イラリア(Ilaria)とロサンゼルスに住んでいます。
(注:ニア・ヴァルダロスによる以下のコメントは、SAG-AFTRA(全米俳優組合)ストライキに先立って、ロサンゼルスで開催されたアート・ディレクターズ・ギルド・アワード(Art Directors Guild Awards)で2月18日に行われたものです。)
━━ポルトカロス(Portokalos)一家との3回目の冒険は、俳優の故マイケル・コンスタンティンと、あなたの父親である本物のガス・ヴァルダロス(彼も2020年3月に亡くなりました。)へのオマージュです。あなたのお父さんはギリシャのどこから来たのですか?
彼は、カラブリタ(Kalavryta)のドライモス村で生まれ、1950年代にカナダに移住しました。そして、どんな単語もギリシャ語であることを誰にでも証明できました。そして、私の本当の父は本当にあらゆるものに Windex(ウィンデックス:洗剤)を使用していました(笑)。
━━『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』の第3弾をギリシャで撮影することは、あなたにとって特別な意味を持ちましたか?
ポルトカロス一家をギリシャに連れて行くのは必然だったと思います。それはガスを演じたマイケル・コンスタンティンの追悼の意でもありました。映画の中で、ガスが亡くなる前の最後の願いは、ガスが生まれた村を訪れることでした。私はそれがポルトカロス家のギリシャのルーツを探る絶好の機会だと考えました。
━━ギリシャのどこで撮影しましたか?
私たちはいくつかの異なる島とアテネで撮影しましたが、映画の中で家族が特定の島の出身であるとは言いたくありませんでした。こうすることで、見ている人全員が自分の島から来たのかもしれないと感じることができます。
━━ ギリシャ移民の子供としての経験についてどう思いますか?
私の父は、より良い生活を求めてカナダに移住しました。人々は新しい国に定住すると家族を呼びに行きます…。移民の経験は、私たち全員に共通です。アメリカも移民によって建国されました。あなたがメイフラワー号に乗船した人の子孫でなくても、あるいはネイティブアメリカンであっても、この映画の中にあなたの家族を見ることになるでしょう。
20年以上、「私はスコットランド人で、イスラエル人と結婚しました。」とか、「私はペルー人で、イスラエル人と結婚しました。」と言う人が私のところにやって来たので、今ではこれまで以上にそのことを理解しています。」それらの話を聞いて、私たちは皆同じであることに気付きました。
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後編へ続く・・・。