そして最後の撮影シーンがきたときの心境について次のように感想を述べたアリ!
「私の最後の撮影シーンが、奇しくもエマが最後に番組に登場するというスケジュールはコロナ禍の中で、とてもラッキーだったわ。もちろん最後の撮影現場で感傷的になることは分かっていたけれど、でも助監督が“さあ、これが最後のシーン”と言ったときは、予想していた以上に胸がキューンと詰まって、とめどもなく涙が溢れ出てしまったの。今まで私を支えてくれた仲間たちが“さよなら”の挨拶をしにきてくれたあのときは、説明のしようがない悲しみで自分の感情をコントロールすることができなかったわ。とにかく、寂しさと悲しみで胸がいっぱいになってしまったことを今でも覚えているわ。」
リーズ(Leeds)出身でギルドフォード・スクール・オブ・アクティング(Guildford School of Acting)で演技を学んだ女優アレキサンドラ・マーデルだが、エマの役を演じたときを境に、以前の役柄からはちょっとした変化が生まれてきたという。アリいわく「コリーに出演する前は“意地悪な役柄”が多かったので、私にとってはこのチェンジは歓迎するべきものだったわ。最初はデヴィッド・プラット(David Platt)を悩ませたり、不愉快に思わせたりするような役柄で登場した、ちょっと間抜けで賑やかな性格のエマはデヴィッドとはまるで正反対! あのような役を演じるのは全く初めてだったの。怒鳴ったり、ののしり合ったりするようなことのない、性格の良い役を演じることができて、とてもラッキーだったわ。ただきっと周囲の人たちはエマと同じようにバブリーで明るい性格のイメージを私にも期待していたような節があったような気がするわ。」
コロナ禍でずっと長い間、普通に人に会ったり、予定通りのスケジュールで撮影できなかった中で、共演者や撮影陣がアリの最後の撮影を実行することがとても難しかったといっても驚くべきことではない。
だから皆が一緒に会する機会があって本当に良かったと思うわ。皆にきちんと“さよなら”の挨拶をすることができて、あの感動を今でも忘れることはできないわ。」
さて、そこでいちばんお気に入りのお別れのプレゼントについて聞いてみると「表にアリ、裏に私の最初の番組放送日を書き込んだネックレスよ。今日身に着けてくれば良かったわ。」と答えたアリに、次の質問「引き際に残したいメッセージ」については聞いてみると次のような返事が戻ってきた。
「ドラマの中でのエマのお気に入りの色はピンクだけれど、それは私自身の好みと必ずしも一致しているというわけではないの。私自身はピンクのものは滅多に身に着けないしね。きっと仕事で着すぎているので、避けているのかもしれないわね。そうは言ってもピンクのものは結構持っているのよ。例えば私は着ないけれど、エマが女性の集まりに着て行ったピンクの毛皮のコートもそうだし、持っているだけなら良いと思うわ。実を言うと、私のお気に入りはエマのピンクのチェックスカートなの。」
エマはいつも率直に感情を出すタイプ! そのエマの運命の結婚式について、ファンの皆は果たしてエマの永遠のロマンがついにジョンとのハッピーエンドで実を結ぶのかどうかが気になっていたはず! そしてその質問に対するアリの答えは次のようなもの。
「それはエマにとっていちばん大切な夢であることは確かだし、彼女にとっては“白馬に乗った王子様”を見つけることが何よりも大切なの。そしてやっと理想の男性を見つけたエマの心の中には、愛以外のものは入ってこないの。でも、テッドを殺した車の事故にエマが絡んでいることを知ったジョンがエマと同じ思いを持つかどうかは分からないわ。」
さて、アリの将来について話を移すと、来るべき運命に身を委ねる彼女のもとにこれから先どんな仕事が飛び込んでくるのかは、誰にも分からないというのが正直な話! アリいわく「私は昔からオーディションを受けることが大好きだったの。だからまた1からオーディションを受けてみたいと思っているわ。今はジャンルにはこだわらず、テレビ、映画、舞台劇、ミュージカルを含めてどんな役にも挑戦してみたいと思っているの。」
ちなみに彼女のかつてのテレビ出演は、幸運にもフィアンセで俳優のジョンとの共演の“ヴェラ(Vera)”1本だけだという!
でも、そんなアリにも1つだけ心の中に密かにしまっている“夢の作品”があるという。それはアニー(Annie)のミス・ハニガン(Miss Hannigan)だが、その準備が整うまではもう少し待つ必要があると考えているという。
エマのこれからの運命は定かではないが、一つ言える事実はエマは生きたままドラマを去ること! だから、いつの日かドラマに戻ってくる可能性は残されているはず!
「今はとても満ち足りた思いでいっぱいなの。さよならは言ったけれど、いつかまた戻ってくるチャンスは残っていると思うの。もしかすると、今回の“さよなら”が最後ではないかもしれない。でも、それは誰にも分からないし、まさに“神のみぞ知る”だと思っているわ。
Words © Tricia Martin
Photos © Tony Ward / OK! Magazine
END.