友人のソファーで寝泊まりする日々を繰り返した後、“いつまでも、こんな生活を続けていてはいけない”と自分に言い聞かせるようになったというリゾ! そして、友人の世話になる生活から抜け出たリゾは、自分の車の中を拠点として再び音楽の道を模索する自分を取り戻し、その後間もなく自らの多様なミュージックの出発点となる、ミネアポリス(ミネソタ州)に移り住むようになる。
そして、女性だけのラップグループ『ザ・チャリス』(The Chalice)を結成し、2012年には最初のアルバムをリリースしている。
さらにその1年後、デビューアルバム『リゾバンガーズ』(Lizzobangers)のリリースを機に、彼女の類まれなる才能を見出した『タイム誌』(TIME)により、リゾの名は“2014年注目のミュージック・アーティスト14名”の1人として紹介されている。
さらに、今は亡き音楽界のレジェンドであるプリンス(Prince)が2014年にリリースしたアルバム『プレクトラムエレクトラム』(Plectrumelectrum)の中から、『ボーイ・トラブル』(Boytrouble)のスタジオでのアルバム制作を手掛けたリゾは、その思い出深い経験に関して次のようなコメントを残している。
「あれは私にとって、まるでおとぎ話のような現実離れした経験で、今でも私の脳裏にしっかりと焼き付いて離れないの。」
そして2015年、自身のセカンドアルバム『ビッグ・ガール・スモール・ワールド』(Big Grrrl Small World)をリリースしたリゾは、2019年に入り、さらに画期的なアルバム『コズ・アイ・ラヴ・ユー』(Cuz I Love You)をリリースし、127週間に渡り“ビルボード200(Billboard 200)”に残るという快挙を成し遂げている。ちなみにこの“ビルボード200”とは“アメリカの週刊誌『ビルボード』に掲載される売り上げ上位200のアルバムとEPの人気チャート”で、アーティストの人気度を伝えるツールとして使われている。
その後いくつかのツアーを経て、世界中のファンの心をつかむようになったリゾだが、特にLGBTQ+層から多くの支持を受ける彼女に対して、ファンの皆は“リズビアンズ(Lizzbians)”という冗談めかしたニックネームを付けているといいう。
セクシュアリティーを含めて私生活を明かすことをしないリゾは次のような興味深いコメントを残している。
「私は何をするにも、1つのものに帰属するようなタイプの人間ではないの。だからLGBTQ+の色彩は7色のレインボーなわけでしょう。それと同じように、私の世界は、いつも“白と黒”のモノクロの世界から外れたところにあるの。」
そして今年後半、ニューアルバムをリリースするというリゾは、将来の抱負について次のような力強いコメントを残してくれた。
「まだまだやりたいことが山のように残っていて、これから先も、ただただ前進のみなの!」
Words © Emma Marsden
Photo © Mirrorpix
END.