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現在のステレオフォニックス(Stereophonics)のメンバー。写真左から:ドラムスのジェイミー・モリソン(Jamie Morrison)、ギター・コーラスのアダム・ジンダーニ(Adam Zindani)、ボーカル・ギターのケリー・ジョーンズ、ベースのリチャード・ジョーンズ。

ステレオフォニックス:「僕たちは兄弟同士のようなものなんだ!」(前編)

20周年記念ツアーを開始したステレオフォニックスの紆余曲折を経て成功した道のりを振り返ってみよう!

20年前、サンフランシスコ・ベイでタクシーに飛び乗り、ドライバーと軽いおしゃべりを交わした3人のミュージシャン! そのドライバーはいかにサンフランシスコと、そこに訪れるツーリストにうんざりしているかをとうとうと語り、彼らがタクシーを降りるとき、特に意味もない平坦で皮肉な口調で“ハヴ・ア・ナイス・デイ”と、別れを告げた。

後に彼らの3番目のアルバム『ジャスト・イナフ・エデュケーション・トゥ・パフォーム』(Just Enough Education to Perform)の中で紹介されている、不朽の名曲『ハヴ・ア・ナイス・デイ』(Have a Nice Day)は、実はそのドライバーが口にしたセリフをヒントに作られた曲だという。

そのアルバムの中には、ケリー・ジョーンズ(Kelly Jones)、リチャード・ジョーンズ(Richard Jones)、そして今は亡きスチュアート・ケーブル(Stuart Cable)という3人のメンバーの名を世界中に知らしめ、栄光を手にすることになった曲『ミスター・ライター』(Mr. Writer)や『ハンドバッグス・アンド・グラッドラグス』(Handbags And Gradrags)が含まれ、メンバーは2021年11月26日を皮切りに「ステレオフォニックス20周年記念UKツアー」の開催を開始。※2021年12月6日まで開催し、それ以降のツアーは新型コロナウイルス感染拡大の影響でスケジュールの日程を変更している。

しかし、数多くのサクセスストーリーと同様、グループの成功の裏には数々のドラマや悲劇、そして胸が締め付けられるような物語が含まれている。

1000人の人口を抱えるウェールズのアバーデア(Wales, Aberdare)の近くにある、元炭鉱村の静かな田舎町クムアマン(Cwmaman)は、1990年初め3人の若者が奏でる“けたたましい”ビートと共に一躍脚光を浴びることになる。

その発端は1989年のこと! 同じ通りに住む“しゃがれ声”のシンガーでリードギターのケリーと、ドラマーのスチュアートは10代の頃、2人揃ってアマチュア演奏を始める。そして、それぞれの音楽活動を数年続けた後、近所に住んでいたリチャード・ジョーンズをバスギタリストとして迎え、再びグループ演奏活動を開始するようになる。

その当時を振り返り、ケリーは「僕は16歳からフルーツや野菜の露店販売の仕事を手伝っていて、売れたフルーツや野菜を入れる茶色の紙袋の裏に歌詞のアイディアを書き残していたりしたんだ。」と感慨深げに語っている。

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今は亡きドラマーのスチュアート・ケーブル。

1992年には3人で作り上げた曲を“労働者階級が集う”クラブで演奏していたメンバーだが、その後、場所を移したロンドン市内のボーダーライン・クラブ(Borderline club)での演奏がプロデューサーの目に留まり、デモテープ制作のチャンスを手に入れたというグループの運命はそれを機に、大きく変わることになる。

最初はトラジック・ラブ・カンパニー(Tragic Love Company)という名前でアマチュアバンドとしてのスタートを切った3人だが、後にバンド名を変えることを勧められ、1992年、ケリーの叔母が使っていた蓄音器のファルコン・ステレオフォニッス(Falcon Stereophonics)の名にひらめきを感じて「ステレオフォニックス(Stereophonics)」というバンド名を選択したというグループ!

その後1996年にはリチャード・ブランソン(Richard Branson)が新しく立ち上げたV2レコードと契約を交わした初のバンドとして、「ステレオフォニックス」は現在に至るまで11のスタジオ・アルバムをリリースし、その内7つのアルバムがトップの座を獲得という快挙を成し遂げ、常にUKチャートのトップに躍り出る活躍を続けてきた。

1997年のデビューアルバム『ワード・ゲッツ・アラウンド』(Word Gets Around)では誰もが知るグループのルーツ、サウス・ウェールズ渓谷に古くから根付くワーキング・クラス・カルチャー(労働者階級文化)の厳しい様子が色濃く表現されていて、後にケリーは自分たちの故郷について「素晴らしいところだけれど、子供が育つ環境としては非常に厳しい所でもあるんだ。」とコメントしている。

しかし、彼らの幼少期の厳しい環境が数多くの光り輝く曲の源になっていることは否めない事実でもある。

Words © Angela Hagan
Photos © Mirrorpix

後編へ続く・・・。

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