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常にドレスアップをすることが楽しかったと語る、ターナー賞受賞の陶芸家グレイソン・ペリー(Grayson Perry)。

グレイソン・ペリー:「もしアートの世界にいなかったら、きっと身も心も潰されていたと思うよ」(後編)

「トランスベスタイト」に対する偏見に対し挑戦し続けている、ターナー賞受賞の陶芸家グレイソン。

13歳になったころ、自身の「トランスベスタイト」(異性装:Cross-dressing)に気付いたときの思いについて「当時の僕は、それはあくまでも女の子の世界のことで、男の子が口にしていけないことだと思っていたんだ。でも、義理の妹が僕の日記を読んで、その中に書かれていた「トランスベスタイト」について母に聞いたことがきっかけで、母は怒るし、僕は僕で反抗的になったって、いつも大変だったことをよく覚えているよ。僕はとてもひねくれ者だったし、それ以来“もうトランスベスタイトは卒業したから”と言って、大学に入るまで自分の心をピッタリと閉ざして封印してしまったんだ。」と語っている。

息子の「トランスベスタイト」を理解することができず、彼を家から追い出した母親とはその後疎遠な関係を続け、5年間に渡り精神セラピーを受けた後もグレイソンは母のジーン(Jean)の話しをすることができなかったという。

そして、あと1週間で80歳の誕生日を迎えようとしていた矢先に死を迎えた母親の葬儀に参列したとき、「母親との最期の別れの席にわずか半分の子供たちしか姿を見せず、参列した子供たちもまるでお義理で来ているような空気を感じ、その光景にどこか母親の人間的な歪みを見つけるようになったという。

「母は気難しくて、精神的に歪んだ偏屈者! でも、それは母の問題であって、僕たちがどうこうできるものではないからね。」

その後、アーティストになろうと決意して、1978年から1979年までブレインツリー・カレッジ(Braintree College)で勉学に励んだ彼は、帰る家もないまま、1人で自分の世界に閉じこもるような生活を送ることになる。

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写真左から:グレイソン・ペリーと妻のフィリッパ。

そして1982年「ポーツマス・ポリテクニック(Portsmouth Polytechnic)」で美術学士号を手にしたグレイソンは、さらに夜学に通い「陶芸」の勉強に励み、そこで後に彼の妻となるフィリッパ(Philippa)と運命的な出会いをしている。

さらに1992年にはフィリッパとの間に娘のフロー(Flo)が生れ、父親の血を継いだフローは父と同様に現在、画家・イラストレーター・作家として活躍している。

ロンドンを拠点にアート活動を続けるグレイソンに大きな転機が訪れたのは2002年アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum)で初めての個展を開催したときで、その個展開催1年後、彼は史上初のターナー賞受賞セラミックアーティストとなり、その後は作家として何冊かの自伝を発行している。

ちなみに、その著書を挙げると『若き芸術家の肖像画(Grayson Perry: Portrait of The Artist As a Young Girl)』、『男らしさの終焉(The Descent of Man)』、『グラフィック小説:サイクル・オブ・バイオレンス(Cycle of Violence)』、『みんなの現代アート(Playing To The Gallery and Sketchbooks)』などがある。

そして数々の功績を称えられ、2013年、大英帝国勲章(CBE)を受勲するという名誉に輝いたグレイソンは、翌年開催された授賞式に、イタリアの結婚式で花嫁の母が身に着ける典型的なドレスカラーのミッドナイトブルー(濃いダークブルー)という派手な装いで姿を現している。

2020年、妻のフィリッパとの共演で、チャンネル4番組シリーズ「グレイソンのアートクラブ(Grayson’s Art Club)」に出演しているグレイソンだが、ちょうどロックダウン中の放映ということもあって、100万人以上の視聴者の目を惹き付けているという。

また、“テッド・トーク- ザ・パント!(Ted Talk – the panto!)”の中で、自身が新しく企画した「ア・ショー・フォー・ノーマル・ピープル(A Show For Normal People)」について、奇抜な衣装で“世間の目から逸脱した話”を面白おかしく解説するグレイソン!

自身のコロナ感染のために予定していたツアーをやむなく延期することになってしまったグレイソンだが、彼が真のアーティストであることを疑う人は誰もいない!

Words © Angela Hagan
Photos © WENN.com

END.

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