━━たくさんの人たちが教会で感動していたと聞いていますが、挙式当日は感傷的な気持ちになったのではありませんか?
グレース:私がいちばん感動したのは、皆のスピーチを聞いているときで、涙が溢れて止まらなかったのを覚えているわ。
リッキー:僕がいちばん感動した場面は、教会の中で初めて後ろを振り向いたとき! あの時サイモン神父がこう言ったんだ。「さあ、後ろを振り返って見てごらんなさい。もちろん、そうしたくなければしなくてもよいんですよ。でもそれはきっと、あなたを後悔させることになるでしょう。」
もちろん、グレースがこちらに向かって歩いてくるのは分かっていたのだけれど、あのとき僕はなぜか振り返ろうか、どうしようか一瞬迷ったんだ。でも次の瞬間、もしここで僕が振り返らなかったら、きっと彼女は“どうして?”と思うんだろうなと感じて、思い切って振り返った瞬間、僕の目の中にはグレース以外は何も入ってこなかったんだ。あの日は僕にとって感傷的な1日だったのを覚えているよ。映画を見て、その後2時間くらい泣き続けるのと同じような心境だね。
━━結婚後2人の間で何か変化したようなことはありますか?
グレース:それはないと思うわ。
リッキー:自分たちが望んでいた通りの結婚生活だと思っているよ。
グレース:長い間待ち望んでいた結婚がやっと実って、今は“やった! 一安心”といった心境なの。
リッキー:2人で住む家の準備を含めて、どれもこれも楽しいことばかりで、クリスマスまでには全てが整ってくれれば嬉しいんだけれどね。とにかく式を挙げることができただけでも、今はホッとしているし、本当に最高の気分だよ。
━━ところでグレース、ウィルソンという名字を変えるつもりはあるのでしょうか?
リッキー:いい質問だね。
グレース:正直言ってまだ迷っているの。
リッキー:ジト(Zito)という名字はとても良い響きがするし、ウィルソン(Wilson)に改名したら、ちょっとピンとこないわね。
━━ではジト‐ウィルソン(Zito-Wilson)はいかがですか?
グレース:それも良いかもね。
リッキー:僕がジト(Zito)に改名するという案も2人で話し合ったのだけれど、でも改名するとしたらバンドのことも考えなければならないからね。まあ、今は名字のことには、あまりこだわらないようにしているんだ。
━━ウエディングリングはどのようにして選んだのでしょうか?
リッキー:オンラインで探していて、最初にチェックしたオンラインショップで見つけたんだ。
グレース:グーグルでウエディングリングを探して、ハットン・ガーデン(Hatton Garden)にある、ザ・ロンドン・ウエディング・リング・カンパニー(The London Wedding Ring Company)で気に入ったリングを見つけることができたの。すぐにアポイントを取って、10分で駆け付けて購入したというわけなの。
リッキー:彼女がこれから先、一生身に着けるエンゲージメントリング(婚約指輪)を探すのはとても大変な仕事! でも正直言って“よくやった!”と自分を褒めてあげたい気持ちだね。ハロゲイト(Harrogate)にある宝石店のウィンドウに“コレだ!”と思うリングを見つけて、すぐに購入したんだけれど、その後そのリングを彼女に渡すときの方がもっと大変! 分かるでしょう?
━━グレース、リッキーのスタイリストを務めたのが彼との最初の出会いと伺っていますが!
グレース:(音楽オーディション番組)「ザ・ヴォイス(イギリス)」(The Voice UK)のスタイリストのアシスタントをしていて、私がリッキーのスタイリスト担当になったときが彼との最初の出会いだったの。
リッキー:彼女は僕の最悪の一面を見ていたと思うよ。きっと彼女にとっては“悪夢”の仕事だったんではないかな?
グレース:確かに、その通りだわ。
リッキー:当時『ザ・ヴォイス(イギリス)』の仕事は僕にとってかなりストレスの多い仕事だったんだ。きっと、コーチとしての仕事をあまりに真剣に捉えすぎていたんだと思うよ。
グレース:恐らくボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相だって『ザ・ヴォイス(イギリス)』で抱えていたあなたのストレスほど大きなストレスを感じたりしていないのではないから?
リッキー:でも、何とか勝ち取って、やり遂げたんだ
グレース:そう、2回もね。
━━お互いに一目惚れだったのでしょうか?
リッキー:最初はとても仲の良い友達同士の付き合いから始まったんだ。
グレース:真剣なお付き合いをするまで2~3年は掛かったのではないかしら?
リッキー:でも、友達としての付き合いを続けていくうちに、自分がどんなに彼女を信頼して頼りにしているのか、徐々に気付き始めたんだ。今でも彼女を頼りにしているしね。
━━お互いに“この人だ”と思ったのはいつだったのでしょうか?
リッキー:あるとき、グレースとマークス・アンド・スペンサー(Marks & Spencer)の前で待ち合わせをしたんだけれど、そのとき直感で彼女のことを“この人だ!”と感じたことを今でもよく覚えているよ。
グレース:ああ、私がマッサージを受けて、マッサージテーブルで顔におかしなラインが付いた、あのときのことね!
リッキー:そう、そう、その通り!
━━今後のお仕事の計画についてはいかがですか?
リッキー:今はまだこれから先の演奏会の予定については何とも言えないけれど、CBBCの子供向けテレビ番組に出演することになっていているんだ。既に「アート・ジャム(Art Jam)」と呼ばれる企画は終わっていて、2回目の出演も決まっているんだ。次の企画では子供たちのためにBBCのアート・ガイとして是非新しい旋風を巻き起こしてみたいと思っているところ! とにかく楽しみながらやっているよ!
INTERVIEW © GEMMA MCCARTNEY
PHOTOS © LORNA ROACH
ASSISTED BY: LOUISE BOASE GRACE’S DRESS MADE BY CHERRY WILLIAMS LONDON @CHERRYWILLIAMSLONDON RICKY’S SUIT BY THOMAS FARTHING FOOD FROM BEN FRANCO AT THE BARN HUDDERSFIELD FLOWERS FROM STEMS DESIGN JUKEBOX ON LOAN FROM SOUND LEISURE MARQUEE FROM YORKSHIRE MEADOW MARQUEES
END.