写真左から:『007 ゴールドフィンガー』で共演したショーン・コネリーとオナー・ブラックマン。

GIRL POWER -ボンドガール- (前編)

OK! は過去58年に渡り映画『007』に出演した、最も記憶に残るボンドガールを振り返り、映画の歴史を祝ってみることにする!

劇場公開が延期となっている、映画『007』シリーズの最新作となる『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題: 007 No Time to Die)の新たな世界公開日は2021年4月2日(2020年11月10日現在)となった。
OK! は過去58年に渡り映画『007』出演した、最も記憶に残るボンドガール(Bond Girl)を振り返り、映画の歴史を祝ってみることにする!

『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、『007』ファンにとって、特別な作品となるというのも、この洗練されたスパイ映画にダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が出演するのも恐らく、これが見納めではないかと密かに囁かれているからである。

『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』または、25回目のシリーズを迎えるため『ボンド25』とも呼ばれるこの映画は、ミス・マネーペニー(Miss Moneypenny)役を演じる、ナオミ・ハリス(Naomie Harris)、前作『007 スペクター』(原題:007 Spectre)から引き続き出演が決まったレア・セドゥ(Lea Seydoux)、その他にも、手ごわいハイキックを披露するアナ・デ・アルマス(Ana de Armas)、自分の味方に付かないなら、ボンドの膝に銃弾を撃ち込むくらいは朝飯前とボンドを脅迫するラシャーナ・リンチ(Lashana Lynch)など、数多くの“手ごわい女性”が登場している。

では、ここでひときわ魅力的なボンドガール前任者たちを改めて紹介することにしよう!

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写真左から:『007 ゴールドフィンガー』で共演したオナー・ブラックマンとショーン・コネリー。

1964年に上映された(日本公開1965年)『007 ゴールドフィンガー』(原題: 007 Goldfinger)の中でプッシー・ガロア(Pussy Galore)役を演じたオナー・ブラックマン(Honor Blackman)

数多くのボンドガールの中でも“究極のボンドガール”といわれた、セクシーなハスキーボイスが魅力的なオナーが先日90歳で死去したショーン・コネリー(Sean Connery)の相手役を務めたのは、彼女が39歳のとき!
そして、そのオナーは今までの共演陣の中で最もセクシーな俳優と称して、ショーン・コネリーの名を挙げ、ショーンのカリスマ性のある魅力を絶賛している。
また、自身が演じた“遊び心や皮肉たっぷりで、意思が強く、理論的な性格”の役柄について「プッシー・ガロアは自分が率いる空軍のパイロットで、生粋のキャリアウーマンで、いわゆる“美人だけれど頭が空っぽな女性”ではないの。」とコメントするオナー!
しかし『アベンジャーズ』(The Avengers)の出演でも知られるオナーは今年4月に94歳で他界している。

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グレース・ジョーンズ

1985年に上映された『007 美しき獲物たち』(原題:007 A View to a Kill)でメイ・デイ(May Day)役を演じた、グレース・ジョーンズ(Grace Jones)

既に成功を手にしていたポップスターのグレース(現在72歳)は、当時の様子を振り返り、自身の自伝の中で次のように述べている。
「黒人女性を憎まれ役に抜擢することに、いくばくかの懸念があったことは確かなようよ。なぜってボンドはセックスとバイオレンス(暴力)シーンに溢れていて、根本的には保守的な作品だったから。」
彼女はディズニー漫画映画から刺激を受けて自身の衣裳をデザインし、ボンドガールを漫画化したイメージで表現している。
また、グレースは『007』映画最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』のカメオ出演に対して“自分が想像していたよりも台詞が少ない”という理由から土壇場でキャンセルし、ファンを失望させたという。

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ウルスラ・アンドレス。

1962年に上映された(日本公開1963年)『007 ドクター・ノオ』(原題:007 Dr. No)でハニー・ライダー(Honey Ryder)役を務めた、ウルスラ・アンドレス(Ursula Andress)

ベルトに皮ひもでナイフを結び付けた真っ白なビキニスタイルでウルスラ・アンドレスが突然海面から姿を現すという、映画を見るファンにとって衝撃的なシーンは、今までの映画史上でも第一級の描写といえる。
その素晴らしさゆえに、ダニエル・クレイグは2006年に上映された『007 カジノ・ロワイヤル』(原題:Casino Royale / You Asked for It)でも同じような演出を試みている。

スイス出身の女優、ウルスラ・アンドレスは25歳にして初のボンドガールに抜擢されているが、現在84歳になる彼女は当時を振り返り次のようにコメントを残している。
「『007 ドクター・ノオ』の中で私がしたことといえば、ただ単にビキニ姿を披露しただけ! でも、『007 ドクター・ノオ』に出演したことから、経済的にも自立することができて、あの作品は一晩で私の人生を完全に変えてしまったといっても過言ではないわ。」

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ミシェール・ヨー。

1997年に上映された(日本公開1998年)『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(原題:007 Tomorrow Never Dies)でウェイ・リン(Wai Lin)役を演じたミシェール・ヨー(Michelle Yeoh)

ボンドガールのヒロインとしての歴史の中で、最も強烈な蹴りを披露したミシェールだが、それは厳しい武道の鍛錬というより、むしろ元ダンサーとしてのたゆまぬ努力の賜物でもある。現在でもほとんどの離れ業にスタントを使わず、自分で演じているといわれるミシェールは“女性版007”を演じるに最もふさわしい女優といえる。

しかし、世間はそうした風評を無視し、かなり懐疑的な見方をしているようで、現在58歳になるミシェールは、そうした傾向について次のようなコメントを発している。
「男性がたくさんのガールフレンドを持つのは格好良いことだけれど、女性が同じことをしようとすると、瞬く間に“暗黙の否定的な雰囲気に包まれてしまうのはなぜかしら?」
でも、ボンドガール役を務める機会を手にし、そのことを誇りに思うミシェールは「私が演じたボンドガールはとにかく格好良いという表現がぴったりの大人の女性だと思うわ。」と誇らしげに語っている。

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写真左から:『女王陛下の007』で共演したジェームズ・ボンド役のジョージ・レーゼンビー(George Lazenby)とダイアナ・リグ。

1969年に上演された『女王陛下の007』(原題:On Her Majesty’s Secret Service)でトレーシー・ボンド(Tracy Bond)役を演じたダイアナ・リグ(Diana Rigg)

イギリスのテレビシリーズ『アベンジャーズ』(The Avengers)で名声を手にしたダイアナはボンドガール史上、唯一ジェームスと結婚するが、結婚後間もなく殺される運命の女性を演じている。
後にフェミニスト運動に関わる女性たちからのボンドガールへの非難を受けて、ダイアナはそうしたフェミニスト運動を否定するかのように、誇らしげな次のようなコメントを発している。
「なぜ、彼女らが腕を組んで憤慨しているのか、私には全く分からないの。だって、私が演じたトレーシーはあくまでもボンドが真剣に愛する主役級の役柄で、決して遊びで軽く扱われるような女性ではないんですもの。」

その後も、『ゲーム・オブ・スローンズ』(原題:Game of Thrones)の出演を通して新しくファンの心をつかんだダイアナだが、癌との闘いの末、今年9月10日、82歳で永眠している。

Words © Michelle Garnett / OK! Magazine
Photos © Mirrorpix

後編へ続く・・・。

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