6シーズンを経て、3作目が劇場公開(イギリスや全米で2025年9月12日に公開)された今、ついにファンにとって『ダウントン・アビー』(原題:Downton Abbey)に別れを告げるときが来ました。
愛すべきクローリー(Crawley)一家とその忠実な使用人たちが幕を閉じ、15年間国民を魅了してきた物語が『原題:ダウントン・アビー:ザ・グランド・フィナーレ』(Downton Abbey: The Grand Finale)で劇的な幕を閉じました。
白鳥の歌の撮影は当然ながら感情的なものでした。グランサム伯爵夫人(Lady Grantham)のメイド、フィリス・バクスター(Phyllis Baxter)を演じる女優ラケル・キャシディ(Raquel Cassidy)は、「ああ、本当に涙が出ました。とても感動的で悲しいシーンでした。でも、最後にもう一度一緒に過ごせたのも嬉しかったです。」と語ります。
最終作では、クローリー家が1930年代に入り、経済的困難と社会的なプレッシャーに直面する中で、変化を受け入れていく姿を描いています。特に、メアリー夫人(Lady Mary)のスキャンダラスな離婚が家長の地位を脅かす中で、クローリー家は変化を受け入れようとしています。
さらに、一家は、かつての家族長であり、惜しまれつつもこの世を去ったグランサム伯爵夫人(The Dowager Countess of Grantham)、ヴァイオレット・クローリー(Violet Crawley)の死によって、2022年に公開された第2作『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』(原題:Downton Abbey: A New Era)は幕を閉じました。
皮肉なことに、10年以上にわたり皮肉屋の伯爵夫人を演じたデイム・マギー・スミス(Dame Maggie Smith)も、昨年9月に89歳で亡くなっており、本作にさらなる重みを与えています。
「本当に大きな喪失感がありました。」と、57歳のラケルは語ります。
「彼女の演じたキャラクターが亡くなったのは当然ですが、マギーも亡くなったときは、本当に胸が張り裂ける思いでした。彼女がこの職業において誰を代表し、人々にとってどんな存在だったかを考えると、私たちの想像をはるかに超えるものでした。映画の中で彼女は間違いなく記憶に残っています。忘れられないはずがありません。彼女は私たちの偉大な女性たちの1人で、決して忘れられることはないでしょう。」
バクスター自身は『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』で従者のジョセフ・モールズリー(Joseph Molesley)からのプロポーズを受けているところが最後に見られました。ということは、彼女が今、幸せな結婚生活の世界に巻き込まれると予想していいのでしょうか?
「モールズリーが『してくれる?』と聞いて、バクスターが『ええ、そうします。』と答えたんですから、末永く幸せに暮らすことになると予想できるでしょう。」とラケルは言います。「でも、人生ってそんなものじゃないし、彼女はいつも苦労してきたじゃないですか?」
ストーリーの大きなネタバレを巧みに回避しながら、脚本家のジュリアン・フェロウズ(Julian Fellowes)と監督のサイモン・カーティス(Simon Curtis)は、サプライズとなる展開を確実に織り込むという点で「本当に素晴らしい仕事をしました。」と彼女は主張します。
「最終的には家とそこに住む全員を救うことがテーマなのに、彼らはそこに軽い安堵感と笑い、そして心温まる別れをうまく織り交ぜています。」
彼女はこう付け加えました。「『ダウントン・アビー』とその登場人物が好きなら、この映画もきっと好きになるはずです。」
モールズリーを演じるスクリーン上の婚約者ケビン・ドイル(Kevin Doyle)との絆について、彼女はこう語ります。「長年彼と一緒に仕事ができて本当に楽しかったです。彼はとても思いやりがあって思慮深いだけでなく、とてもいたずら好きで遊び心もあるからです。」
2人のゆっくりと燃え上がるロマンスを見守ってきたファンは、2人に愛情を込めて「バクスリー」(Baxley)というニックネームを付けました。「大好き。最高!」とラケルは笑います。
Words © Anna Pointer / OK! Magazine
Photo © Phil Lewis / WENN
後編へ続く・・・。