ブレンダ・エドワーズ(Brenda Edwards)は、実生活でも、『ルース・ウィミン』(Loose Women:イギリスのトークショー)のパネルで描かれている通り、陽気で、面白く、情熱的で、気性が激しい。しかし、彼女は自分の弱い面を見せることにも躊躇せず、私たちのOK! 独占写真撮影の間、彼女は時々涙を流しながら、落ち着く瞬間を捉えます。

55歳のブレンダは、その並外れた人生が想像を絶する悲劇によって台無しにされたため、一瞬反省しても仕方がないかもしれません。

4歳のとき、クリスマスの数日前に献身的な両親が交通事故で亡くなり、彼女は孤児となりました。そして2022年、最愛の息子ジャマル(Jamal)が31歳で突然亡くなり、彼女の世界は再び一変しました。(インタビュー当時)あと数日で、彼女は息子の34歳の誕生日を迎えることになります。

ブレンダ自身も、2016年に右胸にエンドウ豆大のしこりが見つかり、乳がんのステージ3と診断され、死と隣り合わせでした。彼女は6ヶ月間にわたる厳しい化学療法を受け、早期閉経に陥った後、乳房切除と再建手術を受けました。

ブレンダは人生で経験した痛みや苦悩にもかかわらず、前向きな姿勢を保っており、どういうわけか、どこからともなく、自分の経験を生かして他人を助ける強さを見出しています。

2005年に『Xファクター』(The X Factor:イギリスリアリティー音楽オーディション番組)で4位に輝き、一躍有名になったミュージカルスターは、二次がんに対する意識を高めるために、英国を代表する専門がんケアプロバイダーであるジェネシスケア(GenesisCare)と提携しています。

幸いなことにブレンダの二次がんは発見されませんでしたが、自分の立場を利用して他の人に症状を知ってもらいたいと考え、二次がんが最も起こりやすい体の部位を紹介する特別展示会に勇敢に参加しました。

驚くべきことに、乳がん生存者の72%は、二次乳がんが最も発生しやすい体の部位を知らず、3人に1人は二次がんが何であるかさえ知りません。ブレンダは、これらの統計を変えようと決意しています。

「私自身、体のどこにがんが転移するかを知らなかったという点で、そのカテゴリーに属していたことを認めざるを得ません。乳がんを患い、化学療法や放射線療法、手術などの治療を受けているとき、二次がんのことは誰も考えないものです。」と彼女は率直に語ります。

「それがこの展覧会の素晴らしいところです。とても感情的ですが、写真を通して、影響を受ける可能性のある体の部位を示しています。たとえば、骨が影響を受けると、症状として腰痛が起こります。脳も影響を受ける可能性があり、頭痛に悩まされることもあります。肺では、胸を押さえて咳をしている人もいます。これは力強い展覧会で、写真は1000の言葉に匹敵します。これは意識を高めるためのもので、私にとって非常に重要なことです。」

数ヶ月前にしこりが見つかり、2016年に46歳で乳がんと診断されました。多くの人と同じように、ブレンダは乳がんのことを心の片隅に置き、ミュージカル『ヘアスプレー』(原題:Hairspray)のモーターマウス・メイベル(Motormouth Maybelle)役で忙しく過ごしていました。しかしある日、シャワーを浴びているときに、再びしこりに気付きました。「最初に感じたときは、凍ったエンドウ豆としか言いようがありませんでした。」とブレンダは説明します。

「でも今回はもっと目立っていました。すぐに主治医に電話すると、地元の病院でマンモグラフィーを受けるように言われました。その後、生検になりましたが、私にとってはとても辛く、困難で、とても感情的な時期でした。頭の中ではいろいろなことが起こっていて、最初に頭に浮かんだのは子供たちと“もしも”でした。私は普段は前向きな人間で、楽しくいようと思っているのですが、突然、暗い影が頭をよぎりました。[結果を]待つ2週間でしたが、それは人生最悪の2週間でした。」

ブレンダは、ジャマルと娘のタニシャ(Tanisha)を不必要に動揺させたり心配させたりすることを恐れて、しこりのことを話さないことに決め、1人でコンサルタントに会いに行きました。

彼女は目に涙を浮かべながら、「とても動揺しました。最悪の事態を想像していました。医師に、彼女が言っていることを録音してもいいかと尋ねたところ、彼女はそれでいいと言ってくれました。ただ、彼女が言うことを私は受け入れるつもりはないことは分かっていました。そして、彼女が『あなたは乳がんのステージ3です。』と言った後、それ以上何も考えられませんでした。私はただ子供たちのことを考えていました。“子供たちに伝えなければならない”と。」

ブレンダは、2人の子供たちにそのことを告げるのは“最悪だった”と言い、その悲惨な知らせを伝えたとき、子供たちの“顔色が悪くなった”と言います。

「子供たちに話す前に、診断結果と治療の可能性を聞くのが私にとっては重要でした。子供たちに話すとき、そのような大きなことを話すと、子供たちはたくさんの疑問を持つからです。私が経験したような眠れない夜を子供たちに味わってほしくありませんでした。だから、私はできる限りの情報と答えを準備しました。」と彼女は言います。

「息子は何も話せませんでした。話そうともしませんでした。私は両親に『いいですか、これが私を変えるわけではありません。これが私を定義するものではありません。何も心配しないでください。私はがんと闘うつもりです。』と言いました。そして私はまさにその通りにしました。」

その瞬間から、ブレンダはもう暗い考えを心に抱かなくなり、子供たちのそばにいるという決意がそれを乗り越える力を与えてくれたと語ります。「私の人生にはたくさんの悲劇があり、その中でも回復力について学びました。」と彼女は語ります。

「両親は私が幼い頃に亡くなったので、子供たちを孤児にしたくないと決めていました。両親の年齢を超えたいといつも言っていました。両親はとても若かったからです。27歳と25歳ですから、私にとっては選択肢ではありませんでした。がんは間違った扉をノックしたのです。」

Words © Lisa Jarvis / OK! Magazine
Photos © Catherine Harbour / OK! Magazine

後編へ続く・・・。