イギリス国内でも最も貧しい地域の1つと言われている地域であるスカボロー(Scarborough)を訪問し、ウェールズ公になって以来、初の「コミュニティー・インパクト・デー」を展開するウェールズ公夫妻(The Prince and Princess of Wales)!
ちなみにこの初めてのアイデアとは、王室訪問の前にファンドレイジングで資金を調達し、その資金を基に投資を促すという間接的な手法ではなく、コミュニティー自体に直接支援を与えることである。
この計画はエリザベス2世(Queen Elizabeth II)ご崩御以前にも既に提案されてはいたものの、女王の死後、新しい君主が誕生し、ウィリアム皇太子(William, the Prince of Wales)が王位継承者になったことでさらに拍車が掛かったもので、王室補佐官は「ここ最近、ウィリアム皇太子の口から『インパクト(効果)』や『レガシー(遺産)』という言葉が頻繁に発信され、ウィリアム皇太子は王室の公式訪問に対する伝統的な手法が既に時代遅れであると感じているようだ。」という示唆的なコメントを残している。
今回のノース・ヨークシャーにあるリゾート地域への訪問中に、夫妻は自らが主宰する慈善団体、『英国王立財団』(The Royal Foundation of The Prince and Princess of Wales)、および『トゥー・ライディングス・コミュニティー財団』(The Two Ridings Community Foundation)が地域の若者へのメンタルヘルス支援資金、£345,000(約5,800万円)を調達したと発表している。
今年、共に節目の年である40歳を迎えた夫妻は、2人の訪問に歓声を上げて歓迎する群衆に迎えられ、コミュニティの拠点である『ザ・ストリート』(The Street)と『レインボーセンター』(The Rainbow Centre)を見学する前に、地域の人々と直接会話を交わしている。
恵まれないコミュニティーを刺激し、改革するために設立された『ザ・ストリート』を訪れた際、キャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)は若者のグループに向けて次のようなメッセージを送っている。
「人々が気軽に非公式な形で会い、話し合うことができるコミュニティースペースを見つけることは何よりも大切なことだと思います。しかし、残念ながら、私たちが訪れた数多くのコミュにティには、そうした場が欠如しています。」
そして、センターを見学した後、キャサリン皇太子妃のスピーチに次いでウィリアム皇太子もまた次のような即興のスピーチを披露している。
「キャサリンと私にとって、今日の訪問の遺産は人々を結びつけ、互いに協力することにあります。」
そして、ウィリアム皇太子のスピーチは突然彼のもとに駆け寄り、すぐにその場を立ち去った2歳のキャリー・ローズ(Callie Rose)にも大きな影響を与えたようだった。ちなみにキャリーは、プリンセスの衣装を身に着け、夫妻が現地に到着した際、花束と写真をプレゼントしている。娘のキャリーの予期せぬ行動を目にした、3人の子持ちの父親は、突然のハプニングにも動ぜず、娘の様子を見ながら、ただ単にほほ笑んでいたという。
更に、キャリーの思わぬ行動によって起きた驚きの中断の後、ウィリアム皇太子のスピーチは次のように続いている。
「人々を結びつけ、コミュニティーが協力して何ができるかを示すことは、私たちが今後も継続していくべきことで、そうした思いがイギリス全土に広がり、実現されることを願っています。そしてあなたたちが他の人たちをリードし、自分たちの思いを実現させる牽引者となってくれることを願っています。」
Words © Rhona Mercer /OK! Magazine
Photos © Mirrorpix
後編へ続く・・・。