刺激的な人生を生きる女性と言えば、それは言わずと知れたメル・C (Mel C)ことメラニー・チズム(Melanie Chisholm)。ソロアルバムで常にトップの売り上げを誇り、ミュージカル劇『ジーザス・クライスト・スーパースター』(Jesus Christ Superstar)や『ブラッド・ブラザーズ』(Blood Brothers)に出演し、つい最近では『ザ・ボイス・キッズ』(The Voice Kids)のコーチとしてテレビにも姿を現すなど、スパイス・ガールズ(Spice Girls)の1人として知られるメラニー(48歳)の活躍ぶりには実に目を見張るものがある。しかし、仕事では見事な成功を収めたものの、その道のりの中で様々な困難を潜り抜けてきたというメル!
1974年1月、ジョアン(Joan )&アラン・チズム(Alan Chisholm)の間に生まれ、マージーサイド(Merseyside)で育ったというメルだが、リバプール(Liverpool)で歌手として仕事をする母親と、バスプレイヤーで継父のデン・オニール(Den O’Neill)の影響を受け、幼いころから音楽は彼女にとって体の一部のような存在だったという。
ちなみに、メルの両親は彼女が4歳のときに離婚している。そして、いつの日にか音楽界で成功することを信じて疑わなかったというメルは、毎年スクールブックの中に「メラニー・チズム:スーパースター」という書き込みをしていたという。
10代でロンドン南東部にある、当時ドリーン・バード・カッレッジ・オブ・パーフォーミング・アーツ(Doreen Bird College of Performing Arts)と呼ばれ、今はバード・カレッジ(Bird College)として知られる学校で学んだメルは、その後1994年ロンドンで行われたオーディションで400人を超える参加者たちに打ち勝ち、ガールバンドのメンバーの1人となり、それを機に終生にわたり変身を遂げることになる。
最初のオーディションでザ・ポインター・シスターズ(The Pointer Sisters)の『アイム・ソー・エキサイテッド』(I’m So Excited)を披露したメルは、後のベッカム(Beckham)こと、ビクトリア・アダムス(Victoria Adames)、メラニー・ブラウン(Melanie Brown)、エマ・バントン(Emma Bunton)、ジェリ・ハリウェル(Geri Halliwell)で、(現在はホーナー(Horner))と共に、スパイス・ガールズを結成している。
結成後間もなく、音楽雑誌トップ・オブ・ザ・ポップス(TOP OF THE POPS)の記者たちはこの5人にピッタリなニックネームを授けることとなる。
ちなみにそのニックネームとは、メル・Cは“スポーティー・スパイス(Sporty Spice)”、ビクトリアは“ポッシュ(Posh)”、メル・Bは“スケアリー(Scary)”、エマは“ベイビー(Baby)”、そしてジェリは“ジンジャー(Ginger)”!
そして、この5人はそのガールズ・パワーで瞬く間にファンを虜にし、1996年にリリースされたデビュー・シングル『ワナビー』(Wannabe)は、37ヶ国でヒットチャートを飾る偉業を成し遂げている。さらに同年リリースされたアルバム『スパイス』(Spice)は全世界で2,300万枚の売り上げを上げ、翌年リリースのセカンドアルバム『スパイスワールド』(Spiceworld)も見事また1,400万枚の売り上げを達成している。
また、1997年には『スパイス・ザ・ムービー』(原題:Spice World)で映画デビューを果たし、若くして誰もが望むスターダムにのし上がった5人組だが、1998年に発表されたジェリのグループ脱退のニュースは残る4人のメンバーを震撼させ、その2年後にはそれぞれがソロとしての活動を目指し、グループは解散されることになる。
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後編へ続く・・・。