━━ヴィクトリア、あなたの2人のお子さんたちは生まれてくる赤ちゃんについてどのように考えていると思いますか?

ヴィクトリア：それは、それは楽しみにしているようよ! でも“赤ちゃんのこと”は、今はまだ本当に親しい友達と家族にしか知らせていないの。

━━改めて、ご婚約おめでとうございます。お2人の最初の出会いについて少しお話しいただけますか?

シド：最初の出会いはロニー・ウッド(ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones))のギタリスト)の自宅でのホームパーティーで、あれは確か1998年のことだったと思うよ。2人とも、ロニーの息子のジェイミー(Jamie)と友達で、パーティーの招待を受けたんだ。

ヴィクトリア：そうだったわね。ケイト・モス(Kate Moss)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)、ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)、ジェリー・ホール(Jerry Hall)、それからミック・ジャガー(Mick Jagger)という、そうそうたる顔ぶれが揃った大きなパーティーで、シドは覚えていないようだけれど、私は最初の出会いのシーンを鮮明に覚えているの。私がキッチンでワインを飲んでいるとき、ちょうど彼も入って来て、そのときのシドは“ちょっと小生意気だけれど、笑顔が素敵な好青年”といった感じだったわ。でも、当時も私はあまりテレビを見ていなかったので、彼が誰なのかはあまりよく分かっていなかったの。そしてシドが私の方へ歩み寄ってきたとき、ちょうど出くわしたジェイミーに「彼女は独身なの?」と聞くシドの声が聞こえたわ。それから私の電話番号を尋ねてきたので、番号を教えたというわけなの。

シド：彼女は僕のタイプの女性だったし、多分最初からお互いに惹かれ合う何かがあったのだと思うよ。

━━それで、その後は?

ヴィクトリア：確か、“ザ・ローリング・ストーンズ”の公演を見にシドを含めて何人かの友達とアムステルダムまで行ったことを覚えているわ。

シド：そう、しばらくの間は静かな交際が続いていたよね。

ヴィクトリア：あの当時は、週末になるとほとんど彼が住んでいたケンブリッジシャー(Cambridgeshire)に通っていたのよね。

シド：1年間くらい交際が続いたけれど、これといった大きな理由もなく、なぜか別れてしまった。考えて見ると、お互いに向き合って議論したりすることもなかったし、きっと2人とも真剣な付き合いを続けるには、まだ若過ぎたのかもしれないね。

━━別れた後はどうなったのでしょうか?

ヴィクトリア：私にとってはシドが最初に付き合った男性で、彼と別れた後は他の男性と巡り合って、その人と結婚したというわけなの。結局、結婚生活は19年続いて、今は2人の子供の母親なの。

━━シド、あなたの恋愛歴はヴィクトリアとはちょっと違うと思いますが?

シド：今、時間を経て再び巡り合えたことに、正直言って本当に感謝しているんだ。だって最初に知り合った当時、僕は『イーストエンダーズ』に出演していて、結構派手な生活をしていたからね。いずれにしても、あの当時真剣な交際を始めていたとしても、きっと長続きはしていなかったと思うよ。

━━その当時はお付き合いを続けるのは難しかったということですか、シド?

シド：若くして、テレビに出ていた環境の中では確かにそうだと思うよ。もちろん、短い期間の女性との付き合いはいくつかあったけれど、どれも真剣なものではなかったし!

━━生涯独身を通すつもりだったのでしょうか?

シド：特に最後の関係が終わった後は、もう一生結婚しないかもしれないと思ったことは確かだね。1人でいることが当たり前のように感じられて、少なくともヴィクトリアと再会するまでの6年間は“僕はきっと生涯独身で過ごすんだろうな”と思っていた。特に2020年の1月に起きた不慮の事故で打ちのめされた僕は、その後の2年間ちょっとした“鬱気味”の状態だったから。とにかく大きな事故でたくさんの歯を失って最悪の状態だったし、それに追い打ちをかけるようにロックダウンが始まってしまった。もう本当に何もかもやる気がなくなって、デートをするなんて考えることもできない状態だったんだ。

でも、ちょうど昨年9月に偶然ヴィクトリアのフェイスブックでプロフィールを見つけて、そこからお互いにチャットを始めて、再び友達になったというわけ。彼女は最初に知り合った頃と同じ香りで、今でも年齢を感じさせない! そして、彼女と一緒にいると時の移り行きを忘れてしまう。自分が幸せでなければ、どんな人間関係もうまく運ばないということを改めて実感しているよ。

━━婚約はいつなさったのですか?

シド：改めて交際を始めてから2ヶ月後くらいに、何となく“婚約”という二文字が頭の中に浮かんで、今まで1度も結婚したことがなかった僕にも、“結婚したい”という思いが生まれてきたんだ。それで、ちょうど2人でケント(Kent)の“イーストウェル マナー チャンプニーズ ホテル アンド スパ(Eastwell Manor, Champneys Hotel & Spa)”で時間を過ごしているとき、思い切って勇気を出して「ブライダル・スイートルーム」と「シャンパン」を予約してしまった! あの日は彼女と婚約して、本当に素晴らしい1日だったよ。

ヴィクトリア：私もプロポーズの言葉を聞いたときは、思わず涙が出てきてしまって、とっても感動的で特別な1日だったわ。

Words © Halina Watts
Photos © James Rudland
Styling: Harriet Nicholson H&M Jade Ewen

Vol.3へ続く・・・。

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