「まじめな努力家」「苦難を自分の栄養にするエネルギー」「押すだけではない引く力」「感謝と思いやりを大切にする心」今回のインタビューを通して、メディアが紹介しないカイヤの横顔には清々しさが漂っていました。どのような世界でも“生き残る人たち”には不変かつ共通の資質が備わっていることを改めて感じさせられました。
― SNSなどを含め、最近のカイヤさんに関する報道を拝見していると、再び世界のコレクション舞台でランウェイを飾るファッションモデルとしてスポットライトを浴びるなど、今までのメディア報道とはかなり異なった印象を受けますが、”今のチャンス“を手に入れるきっかけ、そして”そこにたどり着いた心境“についてお話していただけますか?
カイヤ:私は「自分のことは自分が一番知っている」と思っています。周囲の人たちやメディアが何をどう言おうと世の中の雑音に惑わされず、自分自身を信じ続けて生きてきた今までの生き方が現在のチャンスを手に入れた大きなきっかけだと思います。もちろん、ただ単にチャンスを待つだけではなく、心身ともにいつも準備を整えながらチャンスを手に入れました。具体的には「年齢を超えた美」をテーマにした企画に参加したことが大きなきっかけとなりました。実は、再びランウェイを歩くチャンスをつかむ半年ほど前に事故に遭って、医師からは「これから先、ハイヒールを履いて歩くことは難しいだろう」と宣告されたのですが、私は徹底して自分を信じ、厳しいリハビリトレーニングの毎日を乗り越えて、再びランウェイを歩くという目標を達成したのです。
― 「強い意志があれば道は開ける!」ということですね。 ところで最近、ニューヨークで開催された「ファッションウィーク」にも招待されたあなたのランウェイ姿がタイムズスクエアのビルボードに大きく映し出され、その自分の姿を見たときに言葉にもならない感動を覚えたとお話しされていましたが、そうした夢のような経験を手に入れた経緯について、詳しくお話していただけますか?
カイヤ:結婚して子供が生まれるまでは、ファッションモデルとしてパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークコレクションなど世界中を飛び回っていました。結婚して子供が生まれてからは日本国内で芸能活動に携わりながら子育てに専念し、モデルとしてのキャリアは一時的に中断していたんです。でも、心の中ではいつも世界各国のコレクションで再びランウェイを歩くファッションモデルとしてカムバックしたいという夢を抱き続けていたので、以前所属していたアメリカのエージェントとのつながりは常に保ち続けていたのです。そして自分の中で“機は熟した”と思い、年齢やキャリアのブランクなど気にしないでパリコレクションにカムバックしよう決めたとき、自ら積極的に働きかけ、その結果いくつかのショーへの出演することができ、さらにニューヨーク・ファッション・ウィーク(NYFW)にも招待されるというチャンスに恵まれました。
― 様々な人生経験を積んできたカイヤさんですが、今はどのような目標を心に描いているのでしょうか?
カイヤ:パリやニューヨークのコレクションをはじめとする“ファッションの晴れ舞台”で100歳までランウェイを歩き続け、数年以内には再び「VOGUE」の表紙を飾ることを目標に“心身ともに日々磨きながら自分なりのプランを描いています。また今は世界各地でのボランティア活動に携わり、具体的には日本国内で不用品となった物資に再び命を与え、数多くの発展途上国へ再び生き返った物資を送り届けることを目標に力を注いでいます。これから先は、“ファッション界での活動”と“社会貢献活動”に息の長い関わりを持ち続けていきたいと思っています。
― こうしてお話していると、エネルギッシュでキラキラしているカイヤさんの姿が見えてくるのですが、何か日々を楽しく過ごす秘訣があれば教えていただけますか?
カイヤ:一言で言うと“感謝の気持ち“を忘れないことが何よりも大切ではないかと思います。朝起きたとき、太陽の光を浴びて小鳥のさえずりを耳にしながらおいしいお茶を飲んで、ちょっとした自然との関わりを楽しむ!そうやって身の回りにある“何気ない小さな喜び”を実感することができるって、とても素敵なことだと思いません?常に好奇心を持ち、人生にチャレンジし続ける、そして”愛と目標“を持って”今“を生きていると、毎日がワクワクとした思いがけない冒険で満ち溢れてくるものだと思うのです。人生は予期しない出来事が次々と起こりますから!
― 「感謝」や「中庸」はどこか「仏教」と共通する考えであるような気がしますが。
カイヤ:そうかもしれませんね。私は人口200人というイリノイ州にある小さな田舎町で生まれ育ちました。その町で町長を務めていた父は、ネイティブアメリカンの血を引くシャーマンの母と結婚したのですが、その母から教わり、幼い頃から身に付けた精神性は今でも私の心の底に深く根付いていると思います。
― 人は誰しも様々な困難にぶつかる、それが人生そのものだと思ったりしますが、もちろんカイヤさんの人生もその例外ではないと思います。では、カイヤさんは今まで“困難に直面したとき、どのようにして克服し、前進されたのでしょうか?
カイヤ:困難から逃げることなく、何事も試練の1つとして受け入れることだと思っています。だって、困難は人生の一部であり、私はそれに向き合うことで“受け止める強さ”、“経験から学ぶ優しさ”、“深く心に刻まれる信念”が培われてくるものと信じているのです。実は私は昔から毎日瞑想と運動の時間を設け、さらに日記を書く習慣を自分に課しているのです。今の私がこうして頑張っていられるのは、心から信頼できる友人の存在があるからで、彼らの支えなしに“現在のカイヤ”はいないものと思っています。
― 将来のビジョンについて触れていただけますか?
カイヤ:これから先も大胆に自分らしく生き続けていきたいと思っています。そして、年齢の枠にとらわれず、夢を追いかけて生きている人たちに何らかのインスピレーションを与える存在であり続けたいと思います。具体的には、ファッション、ウェルネス、社会貢献を融合させた独自のブランドを立ち上げ、誰もが自分の可能性を信じることができるようなメッセージを幅広く発信していきたいですね。だって“限界”なんて、自分が決めない限り存在しないはずですから!
― カイヤさんにとって人生で一番大切にしている「信条」があれば、教えていただけますか?
カイヤ:強いて言えば「常に本物であり続けること」「思いやりの心を持ち続けること」だと思います。私は常に「自分に正直であり」「愛を持って真実を語り」「どのような状況の下でも、他人を恨んだり妬んだりせず、他者の幸せを願う」人間でありたいと思っていて、成功するためには「誠実さと優しさ」「ぶれない自分を持ち続けること」だと信じています。そして、それは「ランウェイ」のステージの上でも、世界の片隅にある小さな村でも、自分がどこに居ようと私の中にある不変の信念なのです。
― ちょっと変わった質問になるかもしれませんが、カイヤさんにとって理想の「最後の晩餐」のメニューは?
カイヤ:絶対、お茶漬けに梅干しです!
― 最高ですね!では最後に、OK! JAPANの読者へのメッセージをお願いします。
カイヤ:あなたの中には年齢や環境、時期に関係なく、測り知れない力が備わっていることを忘れないでください。あなたの人生は自分自身で描くあなただけの絵画のようなものです。どうか、そのアートを最高に美しいものに作り上げてください。
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