ヴァネッサ・カービー(Vanessa Kirby)は、7月24日にイギリス、7月25日に日米および世界中で公開された新作映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(原題:The Fantastic Four: First Steps)の夏のプレスツアーに乗り出した際、妊婦役のスー・ストーム(Sue Storm)を演じることが自身の妊娠の前兆となるとは夢にも思っていませんでした。
しかし、それが37歳の英国人女優に、ペドロ・パスカル(Pedro Pascal)演じるFF(The Fantastic Four)の優秀なボス、ミスター・ファンタスティック(Mister Fantastic)こと、リード・リチャーズ(Reed Richards)の旅と並んで、彼女の象徴的なキャラクターの旅について語るさらなるきっかけを与えました。
『ファンタスティック・フォー』シリーズの最新リメイク版となる本作は、1960年代後半のレトロフューチャーなパラレルワールドを舞台に、カービーとパスカルに加え、ジョセフ・クイン(Joseph Quinn)演じるジョニー・ストーム(Johnny Storm)/ヒューマン・トーチ(Human Torch)、エボン・モス=バクラック(Ebon Moss-Bachrach)演じるベン・グリム(Ben Grimm)/ザ・シング(The Thing)といった宇宙飛行士たちが、宇宙ミッションを経て超能力を発現していく姿が描かれています。
マット・シャックマン(Matt Shakman)監督(『ワンダヴィジョン』(WandaVision)、『ザ・グレート』(The Great))による『ファースト・ステップス』ではシルバーサーファー(Silver Surfer)(ジュリア・ガーナー(Julia Garner)が演じる)と、神のような存在で惑星を食い尽くすリーダー、ギャラクタス(Galactus)が地球を滅ぼそうと脅かし、この素晴らしい4人組が巨大な試練に直面する様子が描かれます。
「コミックに登場するスー・ストームというキャラクターにはずっと魅了されていて、彼女を演じることができて光栄です。」とカービーは語ります。
「この物語で特に興味深いのは、スーが女性として、自らの力でリーダーでありヒーローであるだけでなく、妊娠中でありながら地球を救うために戦っていることです。この強く、複雑で、そして英雄的なキャラクターを演じられることに、私は心から惹かれました。彼女がとても前向きな人物であることも、素晴らしいと思います。」
ロンドンのウィンブルドン(Wimbledon)で育ったヴァネッサ・カービーは、外科医の父と雑誌編集者の母に育てられました。彼女の家族は伝説的なイギリス人俳優、ヴァネッサ(Vanessa)とコリン・レッドグレイヴ(Corin Redgrave)姉弟と親しく、彼女は幼少期に多くの時間を彼らと過ごし、彼らの足跡をたどるきっかけとなりました。
カービーの女優としての最初の大きな転機は、2011年にロンドンのロイヤル・コート劇場(Royal Court Theatre)で上演された舞台『アシッド・テスト』(The Acid Test)での演技でした。
しかし、彼女が本格的に認知されるようになったのは、Netflixのドラマ『ザ・クラウン』(The Crown)の最初の2シーズンでマーガレット王女(Princess Margaret)を演じてからで、エミー賞(Emmy Award)助演女優賞にノミネートされ、同部門で英国アカデミー賞(BAFTA Film Awards)も受賞しました。
トム・クルーズ(Tom Cruise)は『ザ・クラウン』での彼女の演技を見て、2018年の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(原題:Mission: Impossible – Fallout)でホワイト・ウィドウ(White Widow)役に抜擢しました。
1年後、カービーは『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(原題:Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)で、もう1人の映画スター、ドウェイン・ザ・ロック・ジョンソン(Dwayne The Rock Johnson)と共演しました。
その後、『私というパズル』(原題:Pieces of a Woman)での演技で批評家から高い評価を得ました。8月には、クライムスリラー映画『原題:ナイト・オールウェイズ・カムズ』(Night Always Comes)で主演を務めています。
カービーは現在、パートナーである元アメリカ人ラクロス選手のポール・ラビル(Paul Rabil)との間に第一子を妊娠しています。
━━この『ファンタスティック・フォー』の新作は、あなたとチームメンバーにとって究極の試練となるでしょう。地球を破滅から救おうと奮闘するスーパーヒーロー、しかも妊娠中のスーパーヒーローの心境を、どのように描いていますか?
俳優として、自分の世界が絶滅レベルの危機に直面しているという状況を想像し、それを信じ込むことが、最も難しかった点の1つでした。そういった危機的な状況を演じていると、やり過ぎている、あるいは控えめに演じているという感覚を抱かずにはいられず、本当に大変でした。
しかし、マット(シャックマン監督)がセットで作り上げた家族のような雰囲気のおかげで、私たちは皆、地に足が着いた感覚を抱き、皆でこのことを一緒に乗り越え、1人きりでやっているのではないと感じました。
ペドロと私は、家庭生活と日常生活、子育てと結婚生活、愛と家族、そしてこの巨大な存在の脅威との間で、微妙なバランスを見つけなければなりませんでした。そして、それを受け入れ、心理的にリアルに感じ取ろうとするのは、本当に大変でした。
Words © Jan Janssen / WENN
Photo © Phil Lewis / WENN
後編へ続く・・・。