ニコラス・ホルト(Nicholas Hoult)は、ジェームズ・ガン(James Gunn)監督の新作『スーパーマン』(原題:Superman)で、レックス・ルーサー(Lex Luthor)役を演じ、キャリア最大の役どころとなることでしょう。
奇妙なことに、スーパーヴィラン役はホルトにとって最初の選択肢ではありませんでした。彼は当初、マン・オブ・スティール(Man of Steel)役のオーディションを受けましたが、無名のアメリカ人俳優デヴィッド・コレンスウェット(David Corenswet)に敗れました。
しかし、ガン監督がホルトの中に、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサー役に彼がはるかに適していることを示す何かを見出したとき、運命が介入しました。
「まるで悪魔のような高笑いをしてしまったんです。」とホルトは回想します。「台本を読んでいて、本能的に反応した瞬間、『ああ、あなたの言う通りだ! この物語の中で、僕が演じるにはこのキャラクターの方がぴったりだ!』と思ったんです。」
7月11日にイギリス、日米同時で公開される『スーパーマン』は、ハリウッドがクリプトン星出身の孤児を映画化する10作目となります。
DCは1978年にクリストファー・リーブ(Christopher Reeve)を主役に迎え、現代のスーパーマン・シリーズを初めて立ち上げました。彼はその後、さらに3作品でスーパーマンを演じました。
それ以来、ブランドン・ラウス(Brandon Routh)とヘンリー・カヴィル(Henry Cavill)が役に独自の個性を添えるようになり、ディーン・ケイン(Dean Cain)(『LOIS&CLARK/新スーパーマン』(原題:Lois & Clark: The New Adventures of Superman))とトム・ウェリング(Tom Welling)(『ヤング・スーパーマン』(原題:Smallville))はテレビでスーパーマンを演じました。
この役は、1950年代の人気テレビシリーズ『スーパーマン』(原題:Adventures of Superman)でジョージ・リーブス(George Reeves)によって初めて有名になりました。
ホルトは、ジーン・ハックマン(Gene Hackman)、ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)、そして最近ではジェシー・アイゼンバーグ(Jesse Eisenberg)など、長年にわたりレックス・ルーサーを演じてきた大スターたちの足跡を辿ります。
主役のコレンスウェットに加え、本作ではレイチェル・ブロズナハン(Rachel Brosnahan)(ロイス・レーン(Lois Lane)役)、ウェンデル・ピアース(Wendell Pierce)(『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』(Tom Clancy’s Jack Ryan))がペリー・ホワイト(Perry White)役で共演しています。
2002年、ヒュー・グラント(Hugh Grant)主演のロマンティック・コメディー『アバウト・ア・ボーイ』(原題:About a Boy)で11歳でスクリーンデビューを果たして以来、ホルトは『X-メン』シリーズ2作(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(X-Men: First Class))のビースト(Beast)役)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(原題:Mad Max: Fury Road)、 『トールキン 旅のはじまり』(原題:Tolkien)、『レンフィールド』(原題:Renfield)、そして昨年のクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督作品『陪審員2番』(原題:Juror #2)など、着実に素晴らしい作品を積み重ねてきました。
今年初めには、『ノスフェラトゥ』(原題:Nosferatu)で主演を務めたほか、『オーダー』(原題:The Order)ではジュード・ロウ(Jude Law)と共演しています。
35歳のニコラス・ホルトは、元モデルの妻ブライアナ・ホリー(Bryana Holly)と2人の子供、7歳のホアキン(Joaquin)と2022年生まれの2人目の子供とともにロンドンに住んでいます。2人目の子供の名前と性別はまだ明らかにされていません。
━━スーパーマン シリーズの最新リブート作品に出演し、象徴的なスーパーヴィランを演じることに、少しも怖さを感じませんでしたか?
伝説のキャラクターに付きまとう期待に応えられるか、常に不安を抱えています。そういう意味では、本当に大変でした。レックス・ルーサーは過去に何人もの素晴らしい俳優が演じてきました。
だからこそ、この役に新しい何かを持ち込みつつも、スーパーマンの伝説における彼の本来の精神と地位を尊重したいと考えていました。ジェームズ・ガン監督は素晴らしいストーリー解釈をしていて、私もそれに導かれるようにしました。
━━レックス・ルーサーに対するあなたのビジョンは何でしたか?
彼は科学の分野で長年本当に懸命に努力してきた人物であり、その功績と知性に対してどう評価されたいのかを考えました。彼には、自分が可能な限りのアルファであると感じてもらいたかったのです。
つまり、彼は自分のために、そしてある意味では人類のためにも、できる限りのことをしてきた人物だということです。彼にとって、彼は崇拝されるべき存在なのです。
そして、この超人、この異星人(スーパーマン)が現れ、あらゆる面でそれら全てを自然にこなすようになりました。それがルーサーに深い憤りを与えました。
Words © Jan Janssen / Wenn
Photo © Nicky Nelson / Wenn
後編へ続く・・・。