『トゥルース・ハーツ』(Truth Hurts)、『グッド・アズ・ヘル』(Good As Hell)、『ジュース』(Juice)など、数々のヒットで常にチャートのトップを飾り、自身のふくよかな体形を逆手に取って活躍するリゾ(Lizzo)は、私たちの世代が誇る最高のポップスターの1人と言っても過言ではない。
アマゾンプライムビデオのリアリティーショー『ウォッチ・アウト・フォー・ザ・ビッグ・ガールズ』(Lizzo’s Watch Out for the Big Grrrls)(3月25日からスタート)を通して、自身の特徴ある“ふくよか”な体型を誇らしげに披露するリゾ(34歳)(4月27日生まれ)は、全8作に渡るシリーズ作品を通して、これから展開するワールドツアーに参加する“プラスサイズ”の女性ダンサーを募集していた。
「今が仕事の絶頂期!」と豪語するリゾ(本名:メリッサ・ヴィヴィアン・ジェファーソン(Melissa Viviane Jefferson))は、予告映像の中で自身の番組を次のように紹介していた。
「私のようなモデル体形ではない女の子たちが、堂々と表舞台に立てない時代はもう終わったの。さあみんな、腕をまくって頑張りましょう。」
世界中の女性たちに感動を与えたリゾではあるが、それに反して自己を受け入れるという面での彼女の旅路は、それほどたやすいことではなかったと認める彼女は、自身の心境について次のように語っている。
「自分の中では“スリムな体形が美しい”と考える固定観念と“身体醜形障害(しんたいしゅうけいしょうがい)”という両極端の観念の中で、何らかの妥協点を見つけて折り合いをつける必要があったの。そして、そうした思いが交錯する中で、自分の心の痛みも段々大きくなるというジレンマに陥ってしまったんだと思うの。でも私の場合は自分の中の本質を見つけて、その本質と自分をしっかりと結びつける歯車がうまくかみ合ったという点で、とてもラッキーなケースだったと思うわ。」
才能あふれるシンガーでラッパー、そして巧みなフルート演奏の才能も兼ね備えたリゾは数多くの賞を勝ち取ったパーフォーマー! ちなみに彼女が最初にフルートを手にしたのは、生まれ故郷のデトロイト(ミシガン州)からヒューストン(テキサス州)に移り住んだ10歳のときだったという。
そして新進気鋭のミュージシャンであるリゾは、自身が14歳になった年、友人と共にコーンロウ・クリーク(Cornrow Clique)という名のバンドを結成している。リゾというステージ名はそのときにつくられたもので、リゾ(Lizzo)はリサ(Lissa)とメリッサ(Melissa)をもじったニックネームだという。
その後、順調に成長しヒューストン大学でクラシック音楽を学んだリゾ! しかし、2009年に父親が他界したのを機に、自分の人生に“暗いひずみ”を感じたという彼女は、当時の自身の心境について次のようにコメントしている。
「父を失ってから、急に鬱(うつ)になった私は生きることの意義を見失ってしまったの。あの当時はミュージシャンになる夢もなくなって、なんだか暗い落とし穴の中で生活しているような毎日だったわ。」
Words © Emma Marsden
Photo © Mirrorpix
後編へ続く・・・。