━━どうしてルディという名前を付けたのですか?
ジョイは私のおばあちゃんの名前だったの。彼女は私にとって特別な存在で、私が8歳の頃「もし子供が産まれたら、男女の区別なく赤ちゃんのミドルネームはジョイにしたい。」と考えていたのよ。実は、ルディという名前に関しては彼が生まれてくる1週間前まで決めていたわけではなかったの。でも「ルディ」の名前はいつも私の頭の中にあったし、実は「ジーン」が生まれたときは「ルディ」の名前がいちばん先に頭の中に浮かびあがったの。主人とはちょっと考えが違うけれど、私は女の子が生まれてきていたら、「ロビン・ジョイ(Robyn Joy)」という名前を付けてみたいと思っていたのよ。
━━もし差し支えなければ、出産の様子について少しお話ししていただけますか?
フレディは3,770グラム(8lb 5oz)、ジーンは3,880グラム(8lb9oz)と、結構大きな体で生まれてきているので、医師がお腹の中の子の大きさを心配して、妊娠37.5週目から陣痛誘発剤を使っていて、でも私はその方法は望んでいなかったの。だって、まだ体の準備も整っていないのに、無理やり陣痛引き起こさせるわけでしょう? それは女性にとっては肉体的にも精神的にも本当に厳しい試練だと思うの。まあ、私の場合、今回が最初の出産経験ではなく、多少の知識があったことが、せめてもの救いだったと思うわ。
━━陣痛誘発を使った出産ですが、全てが順調に運んだのでしょうか?
陣痛状態が約2日間続いたけれど、実際の分娩はとてもスムーズで結構早く終わったの。最初にペッサリーを挿入したときは、いよいよ陣痛が始まりそうな感じがしたのに、その感覚が突然なくなってしまって、それから先は意識が朦朧としてあまりよく覚えていないけれど、結局陣痛はまだ起きていなかったというわけ! でもその後、助産婦のクレア(Clare)がちょっとした手当をしてくれたお陰で、それから2時間も経たないうちに急激な収縮が始まって、ポールがコーヒーブレークから戻ってきたとき、私が「何かおかしいわ!」と叫ぶと同時に突然破水が始まったの。
━━それは何時ごろのことですか?
午後3時のことで、それから1時間5分後に赤ちゃんが誕生したの! でも、その収縮があまりにも急激で激しくて、息もできなかったことを今でも鮮明に覚えているわ。助産婦の検査で子宮口が4センチ広がったことが分かったの。そして、その10分後には「もうダメ、早く分娩室に連れて行って!」と叫んだ私に、経験あるスタッフは「まだ時間はあるから大丈夫」と言うの! でも、もう本当に我慢しきれなくなって「今直ぐに行かないと!」と叫び返したら助産婦が私を車いすに乗せて分娩室に運ぼうとしたの。
とにかく、あまりに耐えがたい痛みで「だめ、その車いすに座ることはできない!」という私に「じゃあ、とにかく膝間づいて、車いすの後ろに捕まって!」という声が聞こえて、まだ破水が続いている最中、ずっと車いすに捕まっていたのを覚えているわ。それにしても、車いすから私を降ろして廊下とエレベーターを行ったり来たりしなければならなかった助産婦のクレアには、本当に申し訳ないことをしたと思っている。あのとき私の側にいたポールは「まるで、交通事故に遭って右往左往している人を見ているようで、何もできずにただ黙って見ているだけしかできなかったし、今思うとあれは何とも言えず滑稽な光景だったよ。」と言っているわ!
━━ご主人のポールは分娩のとき、いかがでしたか?
ちょっと動揺していた様子だったけれど、とても協力的だったわ。でも、ポールは自分が何か言うと私が叫び返すのを知っているから、何も言わず、静かにしてくれていたの。そして、ルディが生まれてきたときは私の手を握りながら「元気な男の子だよ!」と知らせてくれたの。それから“へその緒”を切ったのもポールで、それはとても感動的だったわ。
Words © Kirsty Hatcher
Photos © Chelsea White
Eastenders/BBc
Vol.3へ続く・・・。