ホームレスを助けるための闘いは、彼のライフワークの大きな部分を占めており、先日ウィリアム皇太子(William, the Prince of Wales)は「21世紀にホームレスと一緒に暮らすべきではない」と述べました。
この熱烈な信念は、ウィリアム皇太子が幼い頃から植え付けられ、2023年にホームワーズ(Homewards)を立ち上げるきっかけとなりました。ホームワーズは、「ホームレスをなくすことは可能であり、ホームレスをまれに、短期間で、2度と起こらないものにする。」ことを実証することを目的とした5年間のプログラムです。
イギリスのITVの新しい2部構成(現地時間10月30日と31日に放送)のドキュメンタリー『原題:Prince William: We Can End Homelessness』(プリンス・ウィリアム：私たちはホームレスをなくせる)は、昨年の開始以来ホームワーズが行ってきた活動を紹介しています。
番組を見ると、ウィリアム皇太子の動機が誠実であり、彼の情熱が亡き母、ダイアナ元妃(ウェールズ公妃ダイアナ(Diana, Princess of Wales))の模範に深く根ざしていることは明らかです。
12ヶ月にわたって撮影されたこの番組では、まずウィリアム皇太子がロンドンを拠点とする団体The Passage(ザ・パッセージ)などの慈善団体を訪れ、クリスマスランチを提供する様子を追います。スタッフと冗談を言い合ったり、お皿を片付けたり、ハグしたりしながら、ウィリアム皇太子は亡き母親と一緒に慈善団体を訪れたときのことを振り返えります。ウィリアム皇太子は、何が起こるか不安だったと認めましたが、最終的にはその環境の幸せさに「驚いた」と言います。
ダイアナ元妃の影響は軽視できないほど大きく、ドキュメンタリー全体を通して繰り返しテーマとなっています。ウィリアム皇太子は、母親がいかにして宮殿の外の生活を意識させてくれたかについて語っています。42歳のウィリアム皇太子は、自分の3人の子供たちにもそれを続けており、幼いころから街で見かける人々について子供たちに話しています。
国内の6つの対象地域(ランベス(Lambeth)、ボーンマス(Bournemouth)、ニューポート(Newport)、ベルファスト(Belfast)、アバディーン(Aberdeen)、シェフィールド(Sheffield))でホームワーズを立ち上げる訪問に加え、カメラはウィリアム皇太子の非公開の会合にも密着しています。
センターポイント(Centrepoint)、ビッグイシュー(Big Issue)、ザ・パッセージ、シェルターの代表者と話し、これまでの「失敗した考え方」を受けてホームワーズが何に重点を置くべきかについてアドバイスを求めます。
専門家の助言は有益ですが、ホームレスを実際に経験した人々からの飾り気のないアドバイスこそがホームワーズの目標達成に役立つことは明らかです。
現地時間1994年7月3日当時。イギリス・ロンドン、ウィンブルドン女子決勝を観戦する故ダイアナ元妃(写真左)と、ウィリアム皇太子(写真右)。
ドキュメンタリーの制作に協力した多くの人々の中にサブリナ・コーエン・ハットン(Sabrina Cohen-Hatton)がいます。15歳でホームレスになったサブリナは、現在ウェスト・サセックス(West Sussex)消防救助隊の消防署長を務めており、ウィリアム皇太子に代わって故郷の南ウェールズ(South Wales)のニューポートに戻り、人々と会い、ホームワーズが支援するために何をすべきかを学びます。
そこで彼女は、10年間路上生活を送っていて慈善団体のビッグイシューで販売員をしている、ヴィンセント・ルイス(Vincent Lewis)(59歳)に出会います。彼は、これまで経験したすべてのことにもかかわらず、希望を持ち、ホームレスを減らすことは可能だと信じていますが、依存症やその他のトラウマに苦しんでいるかもしれない人々を助けることが本当に必要だと語っています。
このシリーズのもう1つの大きなテーマは、ウィリアム皇太子が特権的な立場から政策に「干渉」しているとして批判されていることです。彼は人々を助けること以外に目的がないにもかかわらず、この非難は王室の著名な専門家を激怒させています。
「善行をしようとしている人を攻撃する人々に私は完全に絶望しています。」と、元BBC王室担当記者のジェニー・ボンド(Jennie Bond)はOK!に語りました。
「彼らはウィリアム皇太子に何を期待しているのでしょうか? 宮殿に座って指をくねらせ、召使のためにベルを鳴らすのことでしょうか? 彼は自分が莫大な富と複数の家を持つ地位に生まれたことを知っています。しかし、彼が言うように、その特権と立場を利用して、他の人を助けるためにできることをしないのであれば、彼の存在意義は何でしょうか?」
視聴者は、テレビタレントのゲイル・ポーター(Gail Porter)と元サッカー選手のファラ・ウィリアムズ(Fara Williams)のホームレス体験談も聞くことができ、北ロンドン出身のレイニー(Lainey)など、同じような境遇にある少女たちと会う様子も見ることができます。レイニーは2年半の路上生活を経て、シングル・ホームレス・プロジェクトにたどり着きました。
彼女は、ホームレスの人々を支援し、彼らがプレタポルテの店舗で仕事に就けるよう手助けするプレタポルテの「ライジングスターズ」(A Manger’s Rising Stars)プログラムへの参加など、ホームレスを克服するために自分がとってきたステップについて語ります。
1年が経ち、ホームワーズプロジェクトは明らかに前進しています。ウィリアム皇太子は、このプロジェクトを立ち上げたら母親は「気が狂った」と思っただろうと認めていますが、ジェニーは彼の野心を称賛しています。
「この10年の終わりには、このアイデアがうまく機能しているかどうかが分かるでしょう。これは、将来に向けたよく考えられた実用的な青写真です。ウィリアム皇太子の野望は、人々がホームレスになるのを防ぐことです。これは称賛に値する目標です。非常に印象的な目標です。」
『原題: Prince William: We Can End Homelessness』は10月30日と31日のイギリス時間の午後9時にITV1、ITVX、STV、STV Playerで放送されました。
Words © Rebecca Russell / OK! Magazine
Photos © Mirrorpix
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