━━この映画(ホラー映画『原題:ネバー・レット・ゴー』(Never Let Go))に対する観客の反応はどうだと思いますか?
観客の皆さんには、とても奇妙な世界に暮らすとても奇妙な家族の物語を、今まで見たことのない物語として感じていただければと思います。私たちは現実と非現実の間の微妙な境界線を歩んでいますが、それがこの物語の恐ろしい要素です。この悪夢のような世界に皆さんが巻き込まれることを願っています。
━━精神的ストレスを感じないように気を配っていましたか?
アレクサンドル(・アジャ(Alexandre Aja)監督)と私は常に非常に注意深く、気を配っていました。また、少年たちの両親もずっとそこにいて、子供たちに出させたくないシーンがあれば心配していると言ってくれました。
息子たちはたいていとても喜んで映画を見ていましたが、少し怖くなったり、怖いシーンがあったりすることもありました。でも私たちはすぐに、これは映画の作り話だということを息子たちに理解させました。両親も息子たちがストーリーに夢中になりすぎないようにうまく指導していたので、私たちは常に、尊重しなければならない限度を意識していました。
━━映画の現場で30年を過ごした後、数年前にようやく映画『ブルーズド ~打ちのめされても~』(原題:Bruised)(女性総合格闘家の物語)を初めて監督する機会を得ました。その経験から監督について何を学びましたか?
長年の経験から、最高の監督というのは非常に協力的だということが分かってきました。彼らは、自分が信頼し、信用できる部門長や俳優を雇います。共通のビジョンに自信を持っています。いったん物事が始まったら、その人たちに仕事を任せます。全員を励まし、包括的な環境を作ります。
もちろん、最終的には監督が最終決定権を持ちます。しかし、私が見てきた限りでは、最高の監督は常に他の人のアイデアにオープンです。なぜなら、毎日どこから素晴らしいアイデアが生まれるか分からないからです。人生も同じです。素晴らしいアイデアに耳を傾けてください。
━━役を家に持ち帰ることもありますか?
キャリアの初期にはそうしていましたが、私はもっと方法論的でした(笑)。でも、私が演じた女性たちを見れば、それはあまり良い考えではないと気付きました。だから、長い間、私は自分の役柄をセットに残して、家に帰るか、ホテルの部屋に戻るか、いずれにしてもそうしています。
━━あなたは『原題:ネバー・レット・ゴー』のプロデューサーですね。最近は映画を作るのはどれくらい難しいのですか?
どんな映画でも、映画を作るのは大変です。独立してやるとさらに大変です。私は自分が作った映画を本当に誇りに思っています。映画を作ることが戦いの半分だったからです。でも、私は頑張っていますし、私のキャリアのこの章で何が待ち受けているのか本当に楽しみにしています。私は今でもこの職業にワクワクしています。
━━俳優業だけでなくプロデュース業も続けていく予定ですか?
両方やる必要があります。映画館で見られる映画を作るというアイデアは大好きですが、Netflixと協力することで自分の映画を世界中の人々に届けることができて、とてもうれしく思っています。
有色人種の女性であることで、こうした特別な種類のプロジェクトをプロデュースすることが、自分にとって本当に必要不可欠になっていることに気付きました。そうでなければ、耳を傾ける必要のある肉厚なキャラクターのプロジェクトは、その日を迎えられなかったでしょう。私の考えでは、世の中には素晴らしいアイデアがたくさんあります。ただ、それらを「いつか実現できたらいいのに」という箱に入れないように注意してください。
━━2人の子供の母親であることは、どのような喜びをもたらしますか?
子供たちは私の人生の光です。明日も太陽が昇るのは彼らのおかげです。母親になることで、私は落ち着きます。物事を客観的に捉えられるようになります。でも、自分の中にいる子供を思い出すこともできます。こんなに笑ったり、愛したりしたことは今までにありません…。
母親であることは最高の仕事です。子供たちは私が家の外でどんな人間なのか気にしません。娘は学校の友達よりも、他の人が私をどう見ているかに気を配っています。息子は人前で私の名前を呼んでからかうのが大好きです。そうするたびに、人から大きな反応をもらえることを知っているからです!(笑)
ハル・ベリーによる上記のコメントは、ラスベガスで開催された毎年恒例のシネマコンイベント中に、現地時間4月10日にシーザーズパレスホテルで映画『原題:ネバー・レット・ゴー』のプロモーションをしていた時に行われたものです。追加コメントは、現地時間8月17日にNetflixの最新アクション映画『原題:ザ・ユニオン』(The Union)のプロモーションをしていたロサンゼルスでのインタビューから得たものです。ここでは、長さと明瞭さを考慮してコメントを要約および編集しています。
Words © Jan Janssen / WENN
Photo © Nicky Nelson / WENN
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