60年代のヒット曲『ザ・ロコモーション』(The Loco-Motion)のカバーが母国で1987年のベストセラーシングルとなった後、当時のプロデューサー、ストック・エイトキン・ウォーターマン(Stock Aitken Waterman)に招聘(しょうへい)され、彼女のイギリスデビューシングル『I Should Be So Lucky』の制作に魔法をかけました。彼女の最初のアルバム『Kylie』は、女性アーティストによるデビュー作としては10年間で最も売れた作品となりました。
それ以来、カイリーは絶えず自分自身を改革し、常に新しい音楽の道を模索してきましたが、カイリーを“カイリー”たらしめるものを見失うことはありませんでした。
「彼女は常に前を向いていて、次のステップに進むための音楽を見つけてきました。ポップスターとして、彼女は何がうまくいくかを知っています。彼女は、同じものを何度も繰り返して出すだけではいけないことを知っています。」とポッドキャスト「A Journey Through Stock Aitken Waterman」の司会者、ギャビン・スコット(Gavin Scott)は言います。
カイリー自身が2002年の著書『La La La』で「私は過去ではなく未来に興味があります。」と述べています。カメレオンのように新しいトレンドを捉える彼女の能力は、間違いなく彼女の成功の重要な要素となっています。
『悪魔に抱かれて』(Better the Devil You Know)、『Spinning Around』、『熱く胸を焦がして』(Can’t Get You Out of My Head)などの洗練されたポップスの逸曲から、オーストラリアのロック界の英雄ニック・ケイヴ(Nick Cave)との不気味なデュエット曲『Where The Wild Roses Grow』、そして最近話題となった大ヒット曲『Padam Padam』などのエッジの効いた作品まで、彼女は常に驚きを与え続けています。
「ポップミュージックは常に変化しているので、何が来るかを知るには賢さが重要です。」と音楽ジャーナリストで『Reach For The Stars』の著者であるマイケル・クラッグ(Michael Cragg)は言います。
「カイリーは興味深くて風変わりなポップミュージックを作り、その後、やりたいと思ったときに大ヒットポップミュージックを作ってきました。ポップミュージックが得意でなければ、そんなことはできません。一緒に仕事をするのに適した人々、その時の自分、そして自分が将来どんな人間になるかを知っていなければなりません。」
彼女の初期のヒット曲の立役者であるピート・ウォーターマン(Pete Waterman)も同意します。「カイリーは自分が市場でどこにいるのかを正確に知っています。彼女は自分の名声がいつ衰えるかを正確に知っています。もちろん、いつかは必ずそうなるのですが、彼女はそれを再び活発にする方法を正確に知っています。カイリーは自分に何が必要かを知っており、それは本当のスキルです。彼女は最もオープンマインドなアーティストです。」と彼は言います。
『Padam Padam』のおかげでTikTokに夢中な子供たちまで、さまざまなファンに愛されているカイリーの魅力は世代を超えています。彼女は過去40年間で最も象徴的なポップアンセムのいくつかを録音したかもしれませんが、彼女の名声が長く続いているのには、おそらく別の非常に良い理由があります。
「カイリーについて悪く言う人は誰もいません。彼女は完璧なプロフェッショナルで、一緒にいてとても楽しい人です。優しくて思いやりがあります。」とギャビン(・スコット)は言います。
マイケル(・クラッグ)はこう付け加えました。「彼女が感情を爆発させたり、癇癪を起こしたりしたという話はありません。ファンは彼女を『問題のない女王』(unproblematic queen)と呼んでいます。彼女は優しさ、幸せ、喜びを醸し出しています。そして、ポップスターであることが大好きなのです。」
この記事は、5月30日から販売されているOK! のカイリースペシャルコレクターズエディション(OK!’s Kylie Special Collector’s Edition)から抜粋したものです。9.99ポンドでオンラインで購入するには、ok.co.uk/kylie(英語版サイト)にアクセスしてください。
Words © Leo Roberts / OK! Magazine
Photos © Nicky Nelson / WENN
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