@okj_webmagazine face book twitter
close
open




OK!J ニュース
OK!J ニュース

前の記事
次の記事

映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』のプロモーションで、ウィレム・デフォーとジュリアン・シュナーベル監督が来日!
映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』(11月8日(金)より公開)のジャパンプレミアが都内で開催され、主演ウィレム・デフォーとジュリアン・シュナーベル監督が登壇!

news 2019.11.07
191107_01_1

美術史上最も重要で人気の高い画家のひとり、フィンセント・ファン・ゴッホをこれまでにない視点で描いた本作で圧倒的な演技を見せたウィレム・デフォーは第75回ヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞、今年行われた第91回アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。映画のプロモーションで来日するのは、『スパイダーマン』(02)以来、17年ぶりとなります。 監督を務めたジュリアン・シュナーベルは、画家として創作活動を始め、『バスキア』(96)『夜になるまえに』(00)、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『潜水服は蝶の夢を見る』(07)で知られる名匠。そんな2人がそろって来日したジャパンプレミアのようすをレポートします。

会場に集まった大勢の観客の拍手で迎えられて、2人が舞台に登場。最初に挨拶したジュリアン・シュナーベル監督は、「ありがとうございます。ゴッホはずっと日本に来たがっていましたので、代わりに私が来ました。ある意味では、ゴッホを一緒に連れて来ています。今私の隣にスーツ姿で、麦わら帽子をかぶっていないですけどね(笑)。」と、会場の笑いを取ります。そして、30年前に画家として美術展のために来日したことがあると明かします。
デフォーは、「ここにいられることが大変うれしいです。そしてこの作品を皆さんと分かち合えて、とてもわくわくしています。皆さんに楽しんでもらえたらと思います。映画のプロモーション以外では日本に来ていたのですが、特にこの作品でまた来ることができて、大変うれしく思います。」と挨拶しました。

ゴッホをテーマにした本作を撮ったきっかけを尋ねられたシュナーベル監督は、芸術家としての観点から語ります。
「作らずにはいられなかったのです。ゴッホの映画はたくさん作られていたので、最初はもうこれ以上は必要ない、作りたくないと思っていました。でも、必然的にやらなければならないということに気づきました。なぜなら、ゴッホの作品は見る者をとても純粋な所まで連れていってくれますし、一切の妥協がない。それが芸術の本質だと思うのです。ゴッホは、絵を描きたいという欲望だけで突き進みます。私たちは、アートを作るプロセスについての映画を作りました。絵画であれ、演技であれ、映画であれ、芸術の本質の追求を追求した作品だと思います。皆さんはこの映画をご覧になると、ゴッホを見る映画ではないことに気づくでしょう。これは皆さんご自身の映画であって、皆さんがゴッホになるのです。それが本作を作る大きな理由だと思っています。」



191107_01_2

そしてデフォーはゴッホを演じたことについて、「ジュリアンと僕とは、長年の友人です。彼からオファーを受けて、ぜひ演じたいと思いました。今回の作品では実際に絵を描かなくてはいけないことや、ゴッホがいた場所で撮影できることも知りました。絵を描くシーンがたくさんあるのですが、それらのシーンでは(絵を描く真似をするのではなく)、本当に自分で描いています。僕はジュリアンから絵の描き方、絵を描くことのプロセスを教えてもらいました。この体験は、僕の中の絵を描くという概念を変えてくれました。そして映画の製作過程で、ものの見方が変わりました。それが今回の役作りの核の部分となったのだと思います。」と語ります。
30代半ばのゴッホを現在64歳のデフォーが演じたことは驚きですが、そのことについて問われると「(自分との)年齢差のことは、まったく考えませんでした。」と即答。監督も「私も同じです。なぜなら彼はもう若くはなかったからです。」と賛同しました。映画を見るとだれもが、違和感がまったくない!と実感するでしょう。

デフォーは続いて撮影で印象に残っていることを聞かれ、役作りの段階から振り返って丁寧に答えてくれました。
「先ほど僕はものの見方が変わったと言いましたが、ジュリアンに絵を描く手ほどきを受けたときに、光をとらえて描くということを学びました。そして筆を使って1マークずつ印をつけていく、ということも教えてもらいました。絵筆を使って筆跡を重ねていくと、その筆跡がお互いに振動し合って、語り合い始めるのです。そこから自分の想像を超えたようなものが生まれてくる。絵を描くことは、1つずつ印を重ねていくものだと知りました。それから僕は、何かものを見たときにその形象ではなく、光を見るようになりました。この経験が、まさに自分にとっての役作りの本質になったのです。映画を作ったというより、ゴッホを体験したというように感じました。実際にゴッホがいた場所に身を置いて、彼が見た風景を見ながら、ゴッホとはどんな人物だったのだろうか?と私たちなりに想像しながら作っていきました。ゴッホの体験を表現したものがこの映画になったといえるでしょう。ゴッホの目線で見るということが大事だと思いました。」



191107_01_3

デフォーにゴッホの役を依頼した理由について、監督は「ウィレムは素晴らしい俳優で、私はとても信頼しています。彼のような人が必要でしたし、彼しかいないと思いました。そしてウィレムとは30年来の友人なので、お互いをよく知っていて、頼りにしています。私たちは信頼し合って一緒に作品を作り上げることができました。彼は決して私を失望させることはありませんでした。同時に、私には責任があると思ったのです。ゴッホを演じる彼には<こういうことができる>というのを見せることが私の責任だと思いました。そして彼は見事にやりきって、今までだれも見たことのない人に変身したのです。」と絶賛しました。

ここで、デフォーと監督のファンというリリー・フランキーが特別ゲストとして、ゴッホの『ひまわり』を連想させるような黄色い花束を抱えて登場。「リリーといいます。本当に僕の尊敬するお2人と、皆さまにお伝えしなければならないのですが、今日花束を持ってきたのが女優さんじゃなくて、すみません。」と挨拶して会場を沸かせました。シュナーベル監督とデフォーの印象を尋ねられると、「監督の作品はすごく好きで僕も影響を受けていますし、デフォーさんの映画はいつも、役者を超えた人間の可能性を教えてくれます。ですから今日は、本当にうれしいです。最近は家で寂しい生活をしていますので、お2人に会うことができた今の僕の気持ちは、アルルに来てくれたゴーギャンを迎えたときのゴッホのようです。」とコメントすると、デフォーは「ありがとう。」とリリーをハグ。監督も楽しそうに、「あなたの『万引き家族』の演技は素晴らしかったです。」と称賛します。



191107_01_4

リリーは恐縮して「監督にそう言っていただいて、本当にうれしいです。日本人は美術館によく行きますし、印象派や、とりわけゴッホはみんなが好きだと思います。この映画を見たのは3日前ですが、いまだに映画の中から抜け出すことができないといいましょうか。今でもゴッホの絵の中にいるのか、目線の先にいるのかわからないです。こんなにゴッホの絵をいとおしく感じたのは、初めてです。」と作品について話します。監督も「よく分かります。だから私たちはここに来て、日本の方々と一緒にこの映画を見たかったのです。」と意気投合した雰囲気。

MCから「リリーさんも絵を描いていらっしゃいますが」と話を振られると「監督の前で僕の話、しないでください。僕おでんの絵を描いているだけですから」と慌てたようすで会場の笑いを誘いつつ、「ゴッホはいろいろな画家の中で一番知っているつもりでしたが、お2人のゴッホを、お2人の目を通して見ることができて、何か1枚の『ひまわり』の見え方が違ってきたように思います。日の出を待ってからスケッチに出かけるシーンのデフォーさんの微笑んだ顔が、孤独に生きたゴッホの寂しいエピソードを救ってくれたと思いました。」と感想を語ります。

そんなリリーのコメントに感激したデフォーは、「本当に美しい言葉で、ずっと聞いていたいです。」と返します。監督も「そこは映画の中でも特に重要なシーンで、私はゴッホをかわいそうな人とは思っていません。あの瞬間、ゴッホはまさに自分のいたい場所にいたんだということがわかります。誰にとっても、そういう瞬間を見つけるのは難しいと思います。私たちが大好きなシーンに注目してくださって、うれしいです。ウィレムの顔に浮かんだ微笑みは、本当に測り知れないですね。」とコメント。そして「なんだか自分のお葬式にいるような気持ちになってきてしまいました。」とデフォーが会場の笑いを誘いました。 最後にシュナーベル監督から「私は年中映画を作っているわけはなく、今回も前作から7年ぶりでした。でも、もしまた映画を作る機会があれば、ぜひご一緒したいです。」とラブコールを送られたリリーは、「ありがとうございます。長生きするように心がけます。」と応え、笑いと拍手に包まれてイベントは閉幕しました。



Text:Keiko Maruyama
永遠の門 ゴッホの見た未来
(原題:At Eternity Gate)
2019年11月8日(金)全国ロードショー
配給:ギャガ、松竹
© Walk Home Productions LLC 2018

CATEGORYから記事を読む