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OK! INTERVIEW☆キャリー・マリガン: 映画『原題:ワイルドライフ』:“欠点だらけで複雑な人格の女性を演じることを大いに楽しませてもらったわ!”(後編)
「女性を男性と同じように“良い面も悪い面も持ち合わせる一人の人間”として描くべきだと思うわ!」と語るキャリー。

limited 2019.01.05

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「女性を男性と同じように“良い面も悪い面も持ち合わせる一人の人間”として描くべきだと思うわ!」と語る、映画『原題:ワイルドライフ』(全米公開: 2018年10月19日、日本公開未定)で欠点だらけで複雑な人格の女性を演じたキャリー・マリガン(Carey Mulligan)。


━━『ワイルドライフ』は家庭内の混乱や混沌とした家族関係を通して、かなり情緒的な描写に焦点を当てた作品だと思いますが、その点についてはどのように感じていらっしゃいますか?

ポール(ポール・ダノ(Paul Dano)監督)は、表面上理想的ではあるけれど、いざふたを開けてみると実際は“ボロボロに崩壊している”このアメリカの家庭を見事に描いていると思うの。このように女性の心の闇に焦点を当てた良質の脚本に巡り合うチャンスは滅多にないし、この役柄に挑戦することができて本当に幸運だと思っているわ。


━━男女の差に関わらず、両者は共に不完全な存在であることを認識しなければならないという側面で、この映画は観客の知性に挑戦するような作品でもあると思いますが、その点についてあなたの感想をお聞かせ願えますか?

確かにそうね。今までは観客が嫌うのではないかという、ちょっと奇妙な偏見から、女性の心に潜む暗い側面に触れるような作品を作ることは避けられてきたと思うの。でも、ポールは今まで触れられる機会がない、歪んで複雑な家族事情や、女性の個性を奥深く追及するという描写を通して、かなり興味深い映画作りに挑戦していると思うわ。

男性は欠陥があっても称賛に値するような描かれ方をする反面、女性の“不誠実さ”は、ほとんど映画のシーンには出てこない! 実際は男女ともに人間臭い過ちを犯したり、不誠実な行為を繰り返したりしているのに“女性の不誠実さ”に焦点を当てることはなぜか避けられているのよね。


━━#MeToo(ミートゥー)やタイムズ・アップ(Time's Up)といったセクハラ運動に対して、かなり率直な意見を述べたり、女性問題をテーマにした作品を意図的に選んでいるように感じられますが、かつて出演なさった『マッドバウンド 哀しき友情』(原題:Mudbound)は、いかに女性が社会的な固定観念に従った生き方を強いられているかという問題を提起する、典型的な作品だったとは思いませんか?

あの映画は雑誌やメディアの宣伝を通して様々な世代の若者たちに訴求していると思うの。でも、今の子供たちはあの頃と違って、ヴォーグ(Vogue)誌やピープル(People)誌の表紙を見ながらその影響を受けて育っている世代だと思うわ。


━━最近は映画業界だけでなく、社会全体で、男女格差による収入の差という問題にかなり焦点が当てられ始めているようですが、この件に関するあなたの考えを聞かせていただけますか?

タイムズ・アップ運動が起きてから、徐々にではあるけれど、働く女性たちにさまざまなチャンスの道が開けてきているし、エリートに支配されず、格差のない、公平な社会が生まれてきているのは確かだと思うわ! 特に最近は過去の女性映画監督に対する評価が見直されてきていると思うし、これから先もますますこうした動きが広がっていくのではないかしら!

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写真左から:キャリー、ポール・ダノ監督。


━━このような社会的な変化を目の当たりに見て、女性としてかなり勇気づけられているのといえますか?

女性の発言が、世の中で認められるという時代に入っているのは、本当に素晴らしいと思うわ。ただ単に虐待や暴力の事実を報告するだけではなく、それに対して自分たちの意見や見解を述べることができるという点でも最近の進展は画期的だと思うわ。今は男女の区別なく、率直な考えを主張したり、男性の同僚と同じ報酬を手にする機会が増えてきていることは間違いのない事実だと思うわ!


━━今まで映画業界で仕事をしている間に、セクハラを含めて何らかのハラスメントに遭った経験はありますか?

そうね、きっとあると思うわ。でも、若い頃はそのことにはっきりと気付いていなかったのかもしれない! 多分、映画に出演できることだけで幸運だと考えたり、芝居ができるだけで幸せだと感じている時期ではないかしら? あの頃からさまざまな経験を積み重ね、自分の過ちに気付いて、大人になるにつれて、もっと注意深くなることを学んできているのだと思うわ。


━━かつて「女性が映画監督として活躍するチャンスに恵まれていない。」とおっしゃっていましたが、ご自身が監督になることをお考えになったことはありますか?

とんでもない! 将来はもっとたくさんのダイナミックで自立した女性の役を演じていきたいとは思っているけれど、今は自分が監督をすることは考えていないわ。ポール(ダノ監督)が『ワイルドライフ』で監督デビューをする姿を見て、その大変さを目の当たりにしているから! いつもは可能性の芽を自分から潰すようなことはしないけれど、今の私にとって映画監督を務める可能性は皆無に等しいと思うわ。


━━ご自分が出演なさった映画をほとんどご覧にならないと最近のインタビューの中でおっしゃっていましたが、それはなぜでしょうか?

自分が出演した映画を鑑賞するなんて、私にとっては“退屈”の一言で、それはオスカー候補に挙がった『17歳の肖像』(原題:An Education)以来ずっと同じことなの。でも、『ワイルドライフ』に関しては例外で、もうこれで3回も見ているのよ。これから先は自分の作品をもっとリラックスして見ることができるようになるかもしれないわね(笑)。


━━映画スターとして脚光を浴びる場所に出ることを避けていらっしゃるように見えますが、そうした生き方の方がご自分の性に合っているということでしょうか?

私は農場で静かに暮らす生活が大好きなの。でも、それは私に限らず、俳優は皆ある種のプライバシーが欲しいと切望しているのではないかと思うわ。だって私たちのような俳優は、世間の煩わしさや喧騒から自分を切り離して、その都度、演じる役柄に成り切らなければならないから! それに他人の一部始終を知る必要なんてまったくないと思うわ。


━━母親になられてから、仕事への取り組み方や考え方が変わったとしたら、それはどのような点でしょうか?

母親になって学んだことは、自分のエネルギーをいかに効果的に使うかということ! 子供がいなかったときは一つの役づくりに没頭して、かなり長い時間をかけて準備をしていたけれど、今はもっと現実的に時間を有効に使うようになったと思うわ。

INTERVIEW © WENN
PHOTOS © WENN.com


END.
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