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OK! INTERVIEW☆キャリー・マリガン: 映画『原題:ワイルドライフ』:“欠点だらけで複雑な人格の女性を演じることを大いに楽しませてもらったわ!”(前編)
「女性を男性と同じように“良い面も悪い面も持ち合わせる一人の人間”として描くべきだと思うわ!」と語るキャリー。

limited 2019.01.02

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「女性を男性と同じように“良い面も悪い面も持ち合わせる一人の人間”として描くべきだと思うわ!」と語る、映画『原題:ワイルドライフ』(全米公開: 2018年10月19日、日本公開未定)で欠点だらけで複雑な人格の女性を演じたキャリー・マリガン。


輝くように美しく、エレガントな落ち着きを保ち、美しい言葉遣いで明確な話し運びをするキャリー・マリガン(Carey Mulligan)は、私生活同様、スクリーン上でも独特なオーラを放ち、数多くの映画を通して遺憾なく、その異彩な個性を発揮している! さらに、厳格なほど礼儀正しく控えめでありながら、確固とした自信に満ち溢れたキャリーだが、その彼女が今もっとも関心を持つ二つの社会的話題といえば「セクシャルハラスメント」と、「男女格差問題」であり、それはまた、現代を生きる数多くの女性たちにとっても極めて重要な課題といえる。

そしてキャリーは、最近とみに社会を賑わせている「セクシャルハラスメント」を含めた数々の社会現象に対して次のように述べている。
「人々はもうセクハラ問題を黙認したりせず、声に出して積極的に行動を起こそうとしていると思うの。これから先、若い女性たちが映画を通して、そして社会的にも何らかの形で問題意識を提起していくことは本当に素晴らしいと思っているの。」

『華麗なるギャツビー』(原題: The Great Gatsby)や『ウォール・ストリート』(原題: Wall Street: Money Never Sleeps)など、数多くの大作映画に出演してきたマリガン(33歳)だが、そんな彼女も最近は小規模ながら、もっと深遠な内容を真髄とするドラマを好んで選択しているという。

そして現在、彼女が新たに過渡期の時期に選んだといえる作品は、『グランドフィナーレ』(原題: Youth – La giovinezza)や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(原題: There Will Be Blood)に出演しているポール・ダノ(Paul Dano)が監督する『原題:ワイルドライフ』(Wildlife)(全米公開: 2018年10月19日、日本公開未定)!

そしてこの作品は1990年、リチャード・フォード(Richard Ford)によって書き下ろされた小説をもとにダノが脚本をおこした作品で、ジェイク・ジレンホール(Jake Gyllenhaal)演じるジェリー(Jerry)と、キャリー・マリガン演じるジャネット・ブリンソン(Jeanette Brinson)の結婚の破局の様子を14歳の息子ジョー(Joe)(エド・オクセンボールド:Ed Oxenbould)の目を通して描いた物語である。

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写真左から:ゾーイ・カザン、ジェイク・ジレンホール、キャリー、ポール・ダノ監督。


そして、映画のあらすじは1960年代、モンタナの小さな町でプロゴルファーの仕事を失ったジェリーが途方に暮れた末、近くの森の山火事と戦う地元の消防団に属するという選択をする。そして、このジョーの決断は妻と息子の安定した生活を破壊するような結果に陥り、ジャネットは自分たちの生活を維持するために困難な選択を強いられるようになる、というもの!

私生活ではフォークロックバンドのマムフォード・アンド・サンズ(Mumford & Sons)のリードシンガー、マーカス・マムフォード(Marcus Mumford)と結婚し、娘のエブリン(Evelyn :3歳)、息子のウィルフレッド(Wilfred: 1歳)と共にデヴォン(Devon)の農場で牧歌的な暮らしを楽しむキャリー!

そして、“典型的なイギリスの田舎町の牧歌的な静けさに囲まれた生活”についてキャリーは次のように語っている。
「私たちは別に農業を営んでいるわけではないけれど、周囲にはたくさんの農業に従事する友達がいるのよ。私の母方の家族はウェールズの田舎町の出身で、私は田舎の静かでシンプルな生活が大好きなの。」

ダノと、彼の長年のパートナーであり、『ワイルドライフ』の共著者、そして『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(原題:The Big Sick)に出演している、女優兼作家のゾーイ・カザン(Zoe Kazan)だが、彼女の演技は今年初めサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)でも非常に高い評価を受けている。

インタビューを通して、爽やかかつウィッティで控えめな美しさをたたえるキャリーは、どうやらセレブリティーとしての華やかさや、喧騒に溢れたフィルム・ビジネスとは完全に一線を画し、静かな片田舎の生活を楽しんでいるようだ!
そして、夫のマーカス・マムフォードとの結婚生活について「彼はいっぱい飲み過ぎたときを除いては、家で私に甘いセレナーデを歌ってロマンティックな夜を演出してくれるようなタイプの男性ではないの(笑)。でも、私も彼の前でシェイクスピアの演技を披露したりしないから、結局私たちは退屈なカップル同志というわけ!」とキャリーは笑いながら語ってくれた。

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━━キャリー、今年初めのサンダンス映画祭での最初の演技以来、どのようにしてこの魅力的な作品と出会うことができたのでしょうか?

ポール(ダノ監督)が台本を送ってきてくれたのだけれど、それを読んだ途端、このストーリーのとりこになってしまったの。そして、全て読み終えて60秒も経たないうちに「やる!」と決めている自分がいたのよ! 特に、女性が欠点をさらけ出して、人間らしさを正直に表に出しているという点で、私にとってこの映画はとてもやりがいがあるように思えたの。だって女性は今までいつも“非現実的な完璧さ”や“寛容さ”を求められてきたし、そうした社会的なプレッシャーは女性にとってとても重荷だと思うの!


━━欠点だらけで、傷ついた一面を見せるジャネットの性格が浮き彫りにされていますが、その点については彼女の性格をどのようにとらえて演技なさったのでしょうか?

たとえ見せかけだけでも完璧に築いたつもりの家庭が一瞬のうちに崩壊し、その思いもかけない境遇と必死に戦おうとする彼女の心境にとても興味をそそられたの! 今まで女性は“母性本能に欠けた母親”や“不道徳な間違いを犯すふしだらな悪存在”として描写されることはなかったと思うの。だから従来とは異なった観点から真の女性を現実的にとらえようとするストーリー展開に一瞬のうちに心を奪われといった感じだったわ!

とにかく、欠点だらけで複雑な人格の女性を演じることを役者として大いに楽しませてもらったわ! ジャネットは困難な生活を余儀なくされて、苦しんでいるだけで、決して悪い人間ではないし、ましてやただ単に“母親”としての存在価値しかないというわけではないと思うの。


━━なぜ、女性の深遠に触れるストーリーが描かれないのか、その点についてあなたご自身の考えを少しお話ししていただけますか?

それはとても興味深い質問だと思うわ。その理由の一つとして挙げられるのは“女性は常に意図的にソフトで明るい善人”というイメージでとらえられていて、“暗い不審な側面を持つ存在”として描かれることはほとんどなかったと思うの。そうした非現実的で典型的、かつ間違えたイメージで作られた虚像は女性を描写する映画の検閲機関にも問題があると思うわ。

かつて私が出演した映画の中でも、どうしてこの部分がカットされて最終版として放映されるのか、疑問に思うことがしばしばあったのは事実よ! そしてその疑問にはいつも「邪悪で否定的な女性の描写は観客に受け入れられないから」という、きわめて腑に落ちない答えが戻ってくるだけなの! 私たちはこれから先、女性を“理想の偶像”ではなく、男性と同じように、もっと“良い面も悪い面も持ち合わせる一人の人間”として描くべきだと思うわ!

INTERVIEW © WENN
PHOTOS © Ivan Nikolov / WENN.com


後編へ続く・・・。
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